あなたは中古車を購入する時、何を基準に選びますか? 値段は当たり前ですが、その他にも 年式、色、燃費性能、走行距離 様々な基準となるものがあります。
今回、この中でも重要度がかなり高いと思われる走行距離について、書いていきます。日本の車は故障が少ないと言われ、世界でも20万㎞ぐらいは普通に走っているのを、よくTVで見かけますが、本当にそんなに走ってもなんともないのでしょうか。
走行距離は、中古車を購入される時どの程度考慮しなくてはいけないのでしょうか、これら疑問にもあわせて解決していきます。
Contents
中古車の良し悪しと走行距離は反比例するか
新車の時の車の状態を100とすると、常識的に考えて走行距離が増えるに従い車の状態が下がりはじめ、最後は0となり廃車となるように思えます。この下がり方は一律に反比例するかと問われれば、そうだと言えないこともありません。
ただこの時の比例定数である一律は、常に一定ではありません。つまり同じ10万㎞の車でも、その環境(走る場所、乗る人の癖、整備状況、等)によって、その下がり方には雲泥の差が出てきます。それどころか、整備次第ではむしろ生き返ったのかと思うような状態に戻ったりもします。
今年初め、隣の家の神主さんが、親戚からもらったと言って4駆軽トラを見せにやって来ました。8年落ち9万㎞走行、見た目もかなりヤバそうな車です。エンジン音もうるさく、アイドリングも一定しません、走ってみたところウイーンという走行音が気になります。ミッションギアあたりでしょうか、早速二人でディーラーに持ち込み、整備の人と相談のうえ整備内容を決めました。
まず一番はタイミングベルトの交換です。これをしておかないで、ベルトが切れると致命的な故障になりかねません。私は2度経験がありますが、2度とも廃車になってしまいました。
そのほかのベルト、それからエンジン・ミッション・ギアなどの各オイル、エア・オイルフィルター交換と主要な消耗品を概ね交換する事にしました。予算は6万円まででお願いしたいと交渉して、もしそれを超えるような修理箇所が見つかれば連絡を入れてもらうようお願いして一週間後、どうなっているのか興味津々で二人で引き取りに行きましたが、その結果は…
エンジン音もスムーズ、走行時の唸るような音も無くまったく別の車になり、ついでにガスケットも交換してくれていて、オイルの滲みも無くなっていました。とても10万㎞近く走った車と思えない程、スムーズに走るようになり、それ以来もう一台の普通車よりもっぱらその軽トラを足として使うようになりました。
神主の衣装を軽トラ専用のBOXに積んで出かけています。軽トラの神主なんてちょっとシュールです。
問題はあとどの位乗れるかというところですが、ディーラーの整備の方によれば、15万㎞超えてもちゃんと整備すれば乗れるとの事。
話は逸れましたが、この様に同じ走行距離の中古車でも、同じだとは言い切れません。走行距離が多くても、定期的に整備している中古車は、走行距離が少なくて点検を怠った車などより余程程度が良いものです。
この様に走行距離と車の状態との関係は定量的に反比例するような、関係ではありません。
走行距離は無視してもいいのか
前章のように考えると、走行距離などは考慮する意味は無いかのように見えます。果たしてそうなのか。
確かに車としてのメイン部分、エンジン、ミッションなどは定期的にオイル交換などすれば20万㎞ぐらいは十分使用に耐えられるように出来ています。タクシーなどは30万㎞以上などざらです。しかしエンジン、ミッションのオーバーホールなど一般のユーザーでは行わないメンテナンスや交換部品などが必要となります。
一般のユーザーが行うような点検だけ、もちろんオイル交換だけでなく、12ヶ月点検も含めてですが、行うならば10万㎞などは十分可能ですが、それでも年々交換部品は増えていき、それに伴い費用も増えていきます。またシートのへたりや、機械装備の多い車は、それだけ故障の確率が高くなり、また故障した時の修理費用も高くなります。
それでも新しく買い替えるよりは安いのですが、お金の問題だけでなく、そのことに割く時間や気苦労もユーザーの悩みの種になります。むしろこちらのほうが問題だといえます。そろそろミッションをオーバーホールしようなんて普通のユーザーには荷が重すぎます。
この心配事が増えてくるのが5万㎞を超えて7・8万㎞あたりです。ですから5万㎞を超えた中古車を買われた方は、買って2・3年後には重要な部分だけでも整備の方と相談の上点検をしておいたほうが、無難となります。
そのように整備をおこなえば、一応安心出来るのですが、今度は、それをしてあと何年その車に乗るのかという問題が浮上してきます。折角そこそこの費用をかけて整備したのに、1年や2年で乗り換えられるのはチョットもったいないような気もします。
過走行の捉え方
走行が多いといって、見ていただいたように過度に心配することはありませんが、それなりの整備は必要です。
とことん乗るのだというお気持ちならいいのですが、8万㎞を超えるという事は年式も10年落ちに近くなっているでしょうから。デザインの古さは隠せなくなっているでしょうし、そこをどう考えられるかで、走行の多い車の捉え方に差がでます。
過走行車は安く買えます、でもその分あとの整備費用などが余分にかかります。また2・3年で乗り換えられるなら、また次の車の費用が掛かってしまいます。長く乗って頂かないと、お得感は出にくいのです。
このように過走行車は単にイメージの悪さだけでなく、カーライフをどのように楽しんで過ごされるかの問題でもあるのです。
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