【最終更新日】2017/10/06

トヨタアクア、マイナーチェンジ後のトータルコスト評価は?

もはや日本と言えばハイブリッドカーって雰囲気が漂う世界から見た日本の自動車界ですが、そんななかほぼ独走態勢の車があります。それが「トヨタ・アクア」です。

2015年11月にもマイナーチェンジして安全装備など見直されましたが、果たしてみんなに支持されるこのアクアという車が本当にコスパに優れているのか?そもそもクルマ好きが買って幸せになれるのか?検証してみます。

※今回は少々辛口です。


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Contents

マイナーチェンジを繰り返し世界一の車になったアクアだが・・・

アクアはトヨタが「世界一の車を作ることができた」と胸を張る画期的な自動車です。空気を汚さず従来のガゾリンインフラも使えてサイズも調度良い、年々マイナーチェンジを繰り返しどんどんブラッシュアップしていった良いこと尽くめのアクアですが、車をトータルコストで見た時に粗が出ます。

 

そもそもハイブリッドカーは長い目で見て安いのか?

そもそも論ですが、ハイブリッドカーは果たして「お得」何でしょうか。ハイブリッドと言えばトヨタですが、「プリウス」はじめ今では様々なハイブリッドカーが軒を連ねます。まずハイブリッドカーの最大の魅力といえばやっぱり「燃費の良さ」ですよね。じゃあなんで燃費が良いと嬉しいのでしょうか?環境ももちろんあります。でも最大の理由は「節約」ですよね。

ハイブリッドカーという乗り物は元々の魅力が「節約」にあるのです。節約大好きな日本人ですから、燃費を稼げるというハイブリッドカーはメガヒット。それを証拠に今の自動車販売台数は「アクア」が堂々たる1位をキープ中です。

最近では我慢できなくなった日産も本格的にハイブリッド市場に加わってきました。

日産新型ノートハイブリッド現る!価格発売日最新情報!

ではアクア含めた「ハイブリッドカー」の実力は一体どうなのでしょうか?結論から言いますと、「節約」という一元的な視点から見たハイブリッドカー群はあまり高評価を下す事ができないのが現状です・・・。

 

同じトヨタのコンパクトカーであるヴィッツと比べると約40万ほど高いアクアですが、この差をガソリン代だけで埋めるには少々厳しい物があります。燃費はカタログ値には遠く及ばず24㎞前後。最近の普通のガソリン車でもCVT仕様で15~20ぐらい行きますからあまりアドバンテージは感じられません。

 

アクアは本当にお得なのか?

ちょっとアクアと他の国産コンパクトカーを比較してみましょう。年間で10,000㎞ほど走るユーザーを想定します。仮にアクアの燃費が他の国産コンパクトカーに比べてリッター10㎞良かった場合です。

比較表 年間ガソリン消費量(10,000万㎞) 10年間のガソリンコスト(2016年100円/L計算)
アクア(24㎞/L) 416.7L 416,700円
他のコンパクトカー(14㎞/L) 714.3L 714,300円

この表からするとおよそ10年乗った場合297,600円ほどの差が生まれます。一年で10,000万㎞ほど走るユーザーが元を取るには13年以上乗らないといけません。さすがにハイブリッドカーは10年でバッテリー交換の必要があるという噂は都市伝説のようですが、13年も立てば世の中も大きく変わっています。そんなに慌ててアクアを買わないといけない理由もありません。

アクアは一言で言うと「繋ぎ」の車です。将来は電気自動車や水素発電車がメインになってくるのは間違いないですが、大衆向けのインフラがそう簡単には整いません。だから繋ぎが必要なのです。時間もそうですが、お金もそうです。つまり今アクアを買った人達はトヨタからしたらお客さんというよりも人柱、実験データ収集係なんです。

もちろん社会的に意義のあるハイブリッドカーですから良い悪いではないです。ただコスパを求めてハイブリッドカーを買い求めている人達も一定数いるので、買った後に「こんなはずじゃなかったのにな」となる訳です。しっかり計算してから買いましょう。

 

アクアを買って幸せになるには・・・

アクアを買う理由を他にも探してみましょう。

ハイブリッドカーですから当然のように二酸化炭素のことを言う人もいます。確かに地球温暖化防止にはCO2の排出を減らすことが素晴らしいと思います。ただ、ハイブリッドカーであるアクア自体からのCO2排出は少ないのですが工業製品は製造の段階で非常に多くのエネルギーを消費し、工場から大量のCO2が出ます。だからCO2に関して議論をすれば、ただ排出するのが遅いか早いかだけの違いです。

「ハイブリッド」というブランドに踊らされずしっかり車を見て買うことも必要です。もちろんアクアのスタイリングに惚れ込んだとかドライブフィールがたまらないとかの理由で購入したのなら全く問題はありません。車は感性的なものですからね。

 

私が申し上げたいのは、トヨタという巨大メーカーにキチンとアクアユーザーの声(不満も含め)が届き、それこそ環境へローインパクトな素晴らしい面白次世代カーが生まれてくる未来が待ち遠しいという気持ちです。

アクアは走り出しが無音で心地良く、自然の中をゆっくり走るのに最高です。プリウスもそうですが、これは本当にインパクトあります。それにモーター駆動ならではの0回転時からMAXトルクが出るというガソリンエンジンでは逆立ちしても真似できない特性を持っていますから力強い走りで町中でもリードできます。

こうしたアクアの車としての部分に魅力に惚れ購入したというのならクルマ好きオーナーさんでも幸せになれるのかなと思います。

 

 

アクアが売れているおかげでトヨタとしては面白ハイブリッドカーであるC-HRも誕生することになりました。SUV好き達はコスト面だけを見ていたら同じトヨタのニューハイブリッドSUV、CH-Rなんか買えません。ジムニーすら候補から消えハスラーになるでしょうね。

トヨタ・C-HRの発売日迫る!新型ハイブリッドSUVの実力は?

 

色々不満も書きましたが、アクアという車が誕生し、それをどんどん買っていける日本という国は本当に豊かだなと思った次第です。この新しい時代を肌で感じ、アクアを正当評価して次の世代へ車の素晴らしさを面白く繋げていければなと思います。





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