トヨタを代表するブランドのひとつであるカローラ。現在、日本ではカローラと名のつく車は2車種あります。カローラアクシオとカローラフィールダーです。こ・れらに加え、欧州ではカローラとして販売が行われているオーリスが、揃ってフルモデルチェンジを行うという有力な情報をキャッチしました。
つまり、新型カローラはセダンタイプ、ステーションワゴンタイプ、ハッチバックタイプの3タイプが平行して販売されることになります。スポーティーさを重視することで、高齢化しているユーザー層の若返りを目論んでいるとのことですが、はたして、新型カローラはおじいちゃんカーのイメージを払しょくすることができるのか。これからが楽しみでしかたありません。
まずはカローラの歴史を振り返りましょう。その後、新型カローラの情報をお伝えしますね。
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海外で圧倒的な知名度を誇るトヨタの代表車種
2015年のビッグマイナーチェンジでキーンルックを採用。これまでの地味なイメージを大きく一新しようと、スポーティーな外観を取り入れたカローラアクシオとカローラフィールダー。
ですが、そのイメージを完全に一新することはできていません。カローラが歴史のあるブランドであることに変わりはないのですが、昨今の日本では、お年寄りが乗っている車というイメージしかありません。
しかし、海外でのカローラのイメージは、日本とは大きく異なっています。実用性と信頼性が高く、安いのにかっこいい。とりあえず買っておいて間違いのない車No.1に位置するのがカローラなのです。
実は、日本で販売されているカローラアクシオとカローラフィールダーは日本専売車種です。そのため、海外では異なるプラットフォームや外観を採用したカローラが販売されています。これが日本と海外で、カローラのイメージが異なっている理由のひとつです。
40年以上も販売され続けているカローラの歴史
それでは、カローラの歴史を振り返ってみましょう。すべてのカローラを詳しく紹介するのは、とんでもない時間と労力がかかってしまうので、いくつかをピックアップして紹介します。
初代カローラ
引用元:Wikipedia
自動車業界の歴史に残る記念すべき名車、初代カローラは1966年に誕生しました。今からなんと52年も前のことです。当時のトヨタにはミドルクラスのセダンが不足していたため、その穴を埋めるべく開発された車がカローラです。
初代カローラのライバルとなる他メーカーの大衆モデルは、排気量を1,000ccに設定していました。そこで、トヨタは初代カローラの排気量を1,100ccに設定。急速に整備が進んでいた高速道路を快適に巡行できる余裕のある性能をアピールします。
また、安価な大衆車でありながら、当時としては高級感のある内外装を採用したこともあり、大ヒットを記録しました。その後、4ドアセダンとバンが追加設定。派生車種のカローラスプリンター(2ドアクーペ)も登場し、どれもトヨタの思惑通りの成功を収めました。
3代目カローラ
引用元:Car Watch
初代カローラに続き、2代目カローラでも商業的な成功を収めたトヨタは、カローラのブランド価値をさらに高めるべく、3代目カローラを1974年に発売します。内外装のクオリティアップはもちろん、素人では気づくことのないようなところにまで手を加え、徹底的にブラッシュアップ。
その結果、歴代カローラの中でも最高の生産台数を記録しました。ボディタイプは2ドア・4ドアセダン、3ドア・5ドアバン、3ドア・5ドアワゴン、2ドアハードトップ、3ドアリフトバック、2ドアクーペの9タイプが販売されました。
5代目カローラ
引用元:Car Watch
これまでのカローラはすべて、FRを採用してきました。しかし、5代目カローラから、駆動方式はFFを採用することに。これはカローラの大きな転換期となります。余談ですが、2ドア・3ドアクーペの駆動方式は従来通りFRで、その型式はAE85/AE86です。
5代目カローラは数々の名車のデザインを手掛けてきた名匠が設立した会社、イタルデザイン・ジウジアーロがそのデザインを担当。5代目カローラの5ドアリフトバックモデルは、イタルデザイン・ジウジアーロの特徴がわかりやすく反映されています。
9代目カローラ
引用元:Car Watch
2000年に発売された9代目カローラ。現在のカローラのイメージは、この9代目カローラから一貫して継承されているものだと思われます。横滑り防止装置やトラクションコントロールなどの安全装備、電動パワーステアリングなどが新たに採用。
カローラとしても当時の大衆車としても、大きく進化を遂げました。国内外で共通のプラットフォームを採用するのは9代目カローラまで。10代目以降は市場ごとの交通事情やニーズに対応すべく、それぞれ独自の進化を遂げていくことになります。
初代カローラアクシオ(10代目カローラ)
引用元:Car Watch
日本では10代目カローラの代わりに、初代カローラアクシオが発売されました。カローラアクシオは日本専売車です。モデルチェンジの度に大型化するカローラでは、日本の道路事情に対応できないと判断。
異なるプラットフォームで設計・開発されたカローラアクシオが投入されたというワケです。そのため、新規車種ではありますが、初代カローラアクシオは日本における事実上の10代目カローラです。
2代目カローラフィールダー(10代目カローラ)
引用元:スタッドレス.net
初代カローラアクシオと同時に発売された5ナンバーステーションワゴン、2代目カローラフィールダー。初代カローラフィールダーは9代目カローラがフルモデルチェンジを行ったと同時に発売されています。
姉妹車のため、フロントマスクは初代カローラアクシオとほぼ共通化されています。搭載しているエンジンやプラットフォームも、初代カローラアクシオと共通です。
2代目カローラアクシオ(11代目カローラ)
引用元:Wikipedia
2代目カローラアクシオは2012年に発売されました。日本では事実上、11代目カローラにあたる車種です。外観はキープコンセプトですが、初代カローラアクシオから更に洗練されています。ちなみに画像はマイナーチェンジ後で、キーンルックを採用し、外観が大きく変わりました。
初代カローラとボディサイズに大きな違いはありませんが、実は2代目カローラは初代カローラアクシオとは異なる、小型FF車用のプラットフォームを流用しています。そのため、ボディタイプはセダンですが、中身はコンパクトカーのようなもので、日本の道路事情に特化された抜群の使い勝手を誇っているのです。
3代目カローラフィールダー(11代目カローラ)
引用元:オートックワン
2代目カローラアクシオと同時発売されたカローラフィールダー。プラットフォームやパワートレインは2代目カローラアクシオとほぼ共通で、大きな違いはボディタイプのみとなっています。
2代目カローラフィールダーよりも全長を縮小しつつも、荷室スペースの拡大を実現。先代よりも実用性を各段に向上させました。2015年に行われたマイナーチェンジでキーンルックを採用。シャープなフロントマスクへと変貌を遂げ、ユーザー層の若返りを図っています。
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新型カローラは挑戦的!
新型カローラ、つまり12代目カローラは日本でも販売されることが確定しています。カローラアクシオとカローラフィールダーの販売台数は好調で、若年層も少しずつではありますが獲得することができているからです。
この流れを絶やさないためにも、これまでのイメージを一新する大がかりなフルモデルチェンジが、新型カローラには予定されています。それが、新たなボディタイプの追加、スポーティーな外観・内装の採用、そして、ハイパフォーマンスグレードの設定です。ひとつずつチェックしていきましょう。
セダン、ステーションワゴンに続く第3のボディタイプ
現在、カローラにはセダン(アクシオ)とステーションワゴン(フィールダー)の2タイプが設定されていますが、これはもちろん新型カローラでも継続されます。ただし、新型カローラにはこれまでの2タイプではなく、新しいボディタイプを追加した3タイプでの販売になることが有力視されています。
セダン、ステーションワゴンに続く新しいボディタイプ、それはハッチバックです。トヨタのハッチバックと言えば、多くの人はオーリスを思い浮かべるのではないでしょうか。海外ではカローラハッチバックとして販売されているオーリスですが、フルモデルチェンジによって、日本でもカローラファミリーに加わる可能性が非常に高いと言われています。
つまり、オーリスは現行モデル限りで生産終了となり、オーリスの後継車種であるカローラハッチバックが新たに登場するというワケです。そのカローラハッチバックですが、カローラスポーツという名称で発売されるとの情報を入手しました。
トヨタカローラが新型でスポーツモデルを投入!ゴルフGTIに迫るスポーツハッチが復活
まとめると、新型カローラはカローラアクシオ、カローラフィールダー、カローラスポーツの3タイプ構成になるということ。カローラのハッチバックモデル、非常に楽しみです。
スポーティーな内外装で若年層の獲得を狙う
日本でのカローラのイメージはおじいちゃんカーです。お年寄りが乗っているイメージが強いため、若者はカローラに見向きもしません。若年層を獲得することができぬまま、カローラも次々とモデルチェンジを繰り返し、現状に至っています。
しかし、キーンルックの採用によりわずかではありますが、若年層の獲得ができているみたいです。そこで、トヨタはおじいちゃんカーのイメージを一新するべく、新型カローラにスポーティーな外観・内装を採用します。
フロントマスクは引き続きキーンルックを採用しますが、そのデザインはより攻撃的かつ先進的なものへ。デイライトやシーケンシャルウインカーの採用も、十分に考えられますね。ボディラインも従来の普遍的なものから、流麗なスタイリングへと変更されるようです。
カローラにスポーツグレード「GR」が設定
新型カローラにハイパフォーマンスモデルが設定されるという噂は以前からありますが、月日が経つごとに、この噂が現実味を帯びています。トヨタは2017年にスポーツブランド「GR」を発足しました。
GRには大きく分けて、台数限定のハイパフォーマンスモデル「GRMN」、本格チューニングモデル「GR」、気軽にスポーツを楽しめる「GR SPORT」の3種類があります。このGRブランドが新型カローラに設定される可能性は非常に高いです。
問題は、新型カローラの3つのボディタイプのどれに設定されるのかということ。最も有力なのはハッチバックである新型カローラスポーツでしょう。近年、トヨタはWRCに力を注いでいます。ヤリスに代わるラリーベースとして、新型カローラスポーツをチョイスする日が訪れるかもしれません。
新型カローラスポーツのスペック(主要諸元)
全長×全幅×全高(mm) | 4,330×1,780×1,470 |
車両重量(kg) | 1,330 |
ホイールベース(mm) | 2,640 |
エンジン詳細(L) | 1.2L直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ |
エンジン最高出力[kW(ps)/rpm]※ | 85(116)/5,200~5,600 |
エンジン最大トルク[Nm(kgm)/rpm]※ | 185(18.9)/1,500~4,000 |
モーター最高出力[kW(ps)] | なし |
トランスミッション | CVT |
JC08モード燃費(km/l) | 18 |
価格 | 約250万円 |
※1ps=0.736kW 1.359
※1kgm=9.807Nm 0.102
今回は新型カローラの目玉である、カローラスポーツのスペックをピックアップして紹介します。まずはカローラスポーツのボディサイズ。実質的な先代車種であるオーリスから、大きな変化はありません。
ただし、注目してほしいのは全幅と全高。この数値はオーリスと比べ、若干ロー&ワイドなものへと変更されています。これは新型カローラが、従来のモデルよりスポーティーなモデルへと変貌を遂げるため。
若干ではありますが、ボディサイズが拡大されているため、車両重量は増加しています。スポーティーさを重視するのであれば、軽量化してほしかったところではありますが、ボディサイズが拡大しているのでしかたありません。
カローラスポーツはグレードによって異なる複数のエンジンを搭載しますが、エントリーグレードに搭載されるのは、1.2L直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボエンジンです。これはオーリスやC-HRにも採用されているエンジンで、最高出力116PS、最大トルク18.9kgmを発生します。
流行りのダウンサイジングターボですが、燃費は18km/lと、さすがにハイブリッド車には敵いませんね。新型カローラスポーツにはハイブリッドモデルも間違いなく設定されるので、燃費を重視する人はそっちを選びましょう。
トランスミッションはCVTです。海外はともかく、国内で6MTの設定はおそらくありません。カローラ「GR」もしくは「GRMN」であれば、6MTの設定があるかもしれませんが、トランスミッションに関しては続報をお待ちください。
カローラスポーツの価格は、現時点では未定としか言えませんが、あえて予想するならばおそらく250万円前後になると思います。同じ1.2L直列4気筒ターボエンジンを搭載しているオーリスやC-HRがそのくらいの価格だからです。
カローラブランドである以上、エントリーグレードの価格設定は200万円以下に抑えてほしいところですが、新型カローラは従来のカローラよりも高級路線で開発が進められています。そのため、カローラアクシオやカローラフィールダーのエントリーグレードでも、価格を200万円以下に抑えることは難しいのではないでしょうか。
新型カローラの発売日
カローラアクシオとカローラフィールダーは、同じタイミングで必ずフルモデルチェンジを行っています。新型カローラでは、そのタイミングにカローラスポーツの発売が新たに加えられます。カローラスポーツはジュネーブモーターショー2018での初公開が予定されているため、そう遠くない未来に発売されることになるでしょう。カローラアクシオとカローラフィールダーのフルモデルチェンジもそのときです。
新型カローラは早ければ4月、遅くても夏頃には発売すると私は考えています。
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最後に
トヨタの歴史的名車がいよいよ12代目へと突入します。12代目の発売は、トヨタにとってもカローラにとっても大きな転換期です。現在は、トヨタの顔というポジションをプリウスに奪われていますが、12代目カローラはそのポジションを奪い返すかもしれません。
新しいカローラアクシオとカローラフィールダー、そしてカローラスポーツの公式発表が待ち遠しいですね。
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