5代目トヨタセリカ[T180型]は面白車!GT-Fourやコンバーチブルまで勢揃い
日本、いや世界でも有数の大企業である我らがトヨタは、多くのユーザーから愛されています。しかし、多くの人に愛される車づくりをしている故に、80点主義などと揶揄されることもあります。
特に、私たち車好きにはひねくれものが多く、トヨタのことが嫌い、あまり好きではない人もいるでしょう。私もその一人です。(笑)
でも、よく考えてください。トヨタは本当に80点主義でしょうか?
実はトヨタは、明らかに一部のユーザー向けだと思われる面白趣味車をたくさん世に送り出しています。スポーツカーのみに限定しても、2000GTやスープラ、AE86にMR2など、本当にたくさんの車たちが思い浮かびますよね。
今回はトヨタの中で最も異質だと思われるスポーツカーを紹介したいと思います。その名もセリカ。1970年の発売から36年間、多くのユーザーに愛され続けたスペシャリティカーです。
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トヨタが世に送り出した日本初のスペシャリティカー
引用元:CarTube
36年もの長い間販売されていたので、その名を知っている人も多くいるでしょう。セリカはトヨタがこれまで販売してきたスポーツカーの中で、最も長期間にわたり販売が行われた車です。
元々、セリカは1970年にスペシャリティカーとして発売されました。スペシャリティカーとは、わかりやすく言えばなんちゃってスポーツカーのこと。こんな言い方をすると語弊が生じるかもしれません。ですが、当時のスペシャリティカーの多くは、本格的なスポーツカーと比べると走行性能に大きな違いがあります。
(スポーツカーとスペシャリティカーには明確な定義がなく、線引きが非常に曖昧です。私自身、普段はスペシャリティカーをスポーツカーのジャンルのひとつとして扱っていますが、今回はあえて線引きすることをご理解ください)
ただ、当時のスポーツカーというのは非常に高価で、一般人が気軽に楽しむことのできるものではありませんでした。スペシャリティカーはそんな車好きの想いに応えるべく誕生したのです。安価な大衆車ベースなのでスペックはほどほどですが、そのスポーティーな内外装は多くの車好きを魅了しました。
私もスペシャリティカーは大好きで、日産・シルビアのS13型は喉から手が出るほど欲しい憧れの車です。
少し話が逸れましたね。スポーツカーほど本格的ではないものの、スポーツドライビングを気軽に楽しむことができる。そんなスペシャリティカーとして日本で初めて販売された車が、実は初代セリカなのです。
初代セリカはその特徴的な外観から「ダルマ」「ダルマセリカ」という愛称で多くの車好きに愛されていることはご存知だと思いますが、特に初代セリカの最上級モデル、1600GTは現在でも高い価値があります。
セリカはスポーツカーではありませんでしたが、スペシャリティカーとして非常に高い人気を誇りました。モータースポーツ界でもセリカは大活躍し、その知名度をより高めていきます。
T180型セリカの魅力
引用元:NAVER まとめ
記念すべき初代、ダルマセリカの発売から19年経っても、セリカの名は健在でした。4度目のフルモデルチェンジを行い、5代目セリカが発売となります。T180型と呼ばれるそのセリカは、4代目セリカのキープコンセプトでありながら、近未来的かつ独創的な外観が話題となります。
今でこそ古さは感じますが、当時の人が思い描いていた近未来観を感じることのできる優れたデザインです。外観と同様に、中身もキープコンセプト。4代目セリカのプラットフォームを流用しながらも、ボディ剛性の向上などが図られています。
セリカはスペシャリティカーですが、もはやなんちゃってスポーツカーなどと呼ぶことはできない、車として高い完成度を誇っていました。T180型セリカの当時のライバルは日産・シルビアやホンダ・プレリュード。ですが、これはデートカーとしての話。
T180型セリカの主戦場はWRCです。そう、セリカは世界各国の猛者と激闘を繰り広げている最中でした。
T180型セリカには大きく分けて3つのモデルがあります。ひとつは通常のセリカ。スペックが高いとは言えず、デートカーには最適ですが正直地味なセリカでもあります。もうひとつはオープンカー。セリカ・コンバーチブルという名称で販売が行われていました。そして、最後はみんな大好きGT-Fourです。
GT-FourはT180型セリカの最上級グレードで、セリカの中で最も本格的なスポーツモデルに与えられる称号のようなもの。その名の通り、駆動方式は4WDです。当時、セリカはスペシャリティカーとしての一面と、ラリーカーとしての一面を持ち合わせていた非常に面白い車だったのです。
T180型セリカの発売から2年後、WRCのホモロゲーションモデルとして、わずか1,800台限定のGT-Four RCが発売されました。ホモロゲーションモデルとは、競技の規定をクリアしたベース車のこと。市販車ベースの車しか出場することができないモータースポーツでは、競技に出場するために、メーカーがホモロゲーションモデルを発売することが多かったのです。
このGT-Four RCは、GT-Fourから大幅な改良、変更を行っています。エンジンの最大出力向上やブレーキサイズの拡大、さらにはワイドフェンダー化までやってしまいました。やはり、バブル期のメーカーはやることなすことにお金がかかっています。
さまざまなチューンナップをしたことで、T180型セリカはどんなモンスターマシンへと変貌を遂げたのか。それでは、GT-Four RCのスペックをチェックしてみましょう。
T180型セリカ GT-Four RCのスペック(主要諸元)
全長×全幅×全高 | 4,430×1,745×1,305(mm) |
車両重量 | 1,460(kg) |
エンジン排気量 | 2,000(cc) |
エンジン出力/トルク | 235(ps)/31.0(kgm) |
トランスミッション | 5速MT |
10・15モード燃費 | 10(km/L) |
価格 | 317(万円) |
まずはT180型セリカ GT-Four RCのボディサイズです。注目すべきは全長と全幅。GT-Four RC以外のT180型セリカは、全長が4,420mm、全幅が1,690mmと違いがあります。
特に全幅は55mmも異なりますが、これはホモロゲーションモデルのGT-Four RCが、ワイドフェンダーを装着しているからです。全幅が拡大されたことで、よりワイドなタイヤを履けるようになり、外観の迫力も増しました。
車両重量は1,460kg。T180型セリカの最軽量モデルは1,160kgなので、なんと300kgもの差があります。ただし、その分GT-Four RCはターボチャージャーやインタークーラーなど、さまざまな装備を追加しているので、300kgもの車両重量の増加がマイナスに働くことはありません。
GT-Four RCが搭載するエンジンは2.0L直列4気筒DOHC16バルブターボエンジン、3S-GTE型です。非常にパワフルな2.0Lターボで、最高出力235ps、最大トルク31.0kgmを発生。4WDシステムと組み合わせることで強烈な加速性能を実現しています。
トランスミッションは5速MT、GT-Four RC以外のT180型セリカにはATモデルの設定もありました。燃費性能は10・15モードで10km/Lなので、JC08モードに変換すると7km/L前後です。皆さんもわかっていたとは思いますが、決して良い数値ではありません。
限定車とは言え、こんなハイパフォーマンスなホモロゲーションモデルが317万円で入手できたことには驚きです。もはやバーゲンセールですよね。
T180型セリカの中古車、流通している台数はわずか12台
カーセンサーに掲載されているT180型セリカは、全国でたった12台しかありませんでした。GT-Four RCが3台、GT-Fourが2台、セリカ・コンバーチブルが3台、それ以外が4台です。
ほとんどの車両は過走行車両ですが、過激なモンスターマシンの割に修復歴がある車両は少ないように感じます。大切に乗っていたオーナーさんが多かったのでしょう。
経年劣化もあるので、状態の良い車両と出会うのが非常に難しいです。T180型セリカの中古車を探すつもりなら、根気よく探してください。T180型セリカの状態の良い車両に出会うのは、おそらく、状態の良いダルマセリカを見つけるよりも難しいと思います。
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最後に
デートカーとしてドライブを満喫したいなら、コンバーチブルやZ-R、GT-R。スポーツカーとしてドライビングを楽しみたいならGT-FourかGT-Four RC。
T180型セリカはグレードによって全く異なる魅力があります。もし購入を検討しているのなら、自分の用途にマッチするT180型セリカを我慢強く探してみてください。
古いとは言ってもダルマセリカやS30Z並みの旧車ではないので、根気よく探せば必ず出会うことができるはずです。個人的なおすすめはやっぱりGT-Four RC。とても貴重なセリカなので、購入したら大切にしてくださいね。
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