時代を切り開くイナズマのようなクルマがあります。
「マツダ・ロードスター」です。
2015年にとして新型(ND型)となり鮮烈デビューを飾った、日本を代表するこのクルマは2015年度カー・オブ・ザ・イヤーにも輝きました。日本車としては歴史も長く、ただの工業機械とは思えないほどのキャラクターを持っています。
私はこのロードスターという車が子供の頃から大好きです。
今回はそんな魅力がいっぱいに詰まったマツダ・ロードスターという自動車の傑作を様々な面から検証し、人々を惹きつける理由をまとめました。
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Contents
マツダ・ロードスターという車の生い立ち
それでは、このロードスターという車の生い立ちからご説明していきます。
「だれもが、しあわせになる」そんなキャッチフレーズでマツダの誇る名車、初代ロードスター(ユーノス・ロードスター)は1989年9月1日に日本国内で発売されました。
当時世界的にも稀少だったオープン2シーターというカテゴリーで華々しくデビューを飾ったロードスターは、先行販売されたアメリカでも、ここ日本でも、さらにはヨーロッパでも瞬く間にヒットを飛ばし世界的なオープン2シーターブームを巻き起こしました。
ロードスターに刺激された各国の主要自動車メーカーはこぞって新しいオープンカーを開発。メルセデスベンツ・SLK、BMW・Z3、ポルシェ・ボクスター、フィアット・バルケッタ、MG・MGF等、数々のにライトウェイトスポーツカーがこの世に誕生しました。
さらに国内でもブームを起こし、トヨタ・MR-S、バブルの申し子と呼ばれる軽オープン御三家、ホンダ・ビートやスズキ・カプチーノ、同じマツダからはAZ-1などが作られ、ロードスターの与えた影響は計り知れないものがありました。
この動画は2014年11月にマツダから公式に発表されたものです。初代から3代目までがリズミカルに登場し、トンネルを抜けるとそこには…。
そんなマツダ・ロードスターですが、華々しいデビューを飾った初代から数えて実に4代目になります。
初代をNA型と呼び、それ以降はNB型、NC型と続いて遂に新型のND型が2015年5月21日(木)に全国のマツダ・マツダアンフィニ系販売店で発売されました。
歴代ロードスターの中で最も色めき立った艶やかなデザインです。3代目とはかなり好みが別れるところでしょう。私は最初あまりにも能動的なそのデザインにギョッとしましたが、慣れてくるとたまらなく魅力的に見えてくるから不思議です。特にボディラインが美しすぎて鼻血が出そうです。
マツダ・ロードスターの魅力と愛される訳、残した功績
まず、ロードスターはオープンカーであるということが大きなポイントでしょう。ロードスターは気軽に庶民がオープンエアを楽しめる車として具現化され、オープンエアドライブ、爽快感、一体感、五感を刺激…そんな響きが似合います。
ロードスターという車はとても分かりやすい形をしています。子供から大人まで思わず振り返ってしまう、そんな形です。もともと優れたデザインだった初代ロードスターですが、なんとテールランプはニューヨークにある近代美術館『MOMA』に優れた工業デザイン、現代アートとして高く評価され常設展示されているのです。ビックリですね。
ロードスターのもう一つの大きな魅力は走りです。マツダはそれまでの絶対的なスピード、馬力といったカタログスペック重視だった日本自動車工業会の流れに待ったをかけ、ロードスターの開発ではどれだけドライバーが気持よくドライブできるかということに重きが置かれたのです。
FR駆動方式、直列4気筒エンジンといったオーソドックスな内容でありながら、前後重量配分の最適化、エンジンパワーと足回りのバランスなどを徹底的に磨き、車との一体感を極限まで高めたのです。
「人馬一体」この言葉はロードスターから生まれました。意のままに車を操る。そして、だれもが、しあわせになる。初代貫徹のロードスターは4代目になっても魅力が色褪せるどころか、より一層次元の高いところに来ています。
ロードスターは2シーターなので乗車は2名までですが、そこそこのトランク容量を持ち二人分の機内持ち込みサイズのスーツケースなどが収納できるので実用性もなかなかあり、そんなところも長年支持される理由です。
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新型NDの特徴と評価
4代目となるND型ですが、昔からマツダは会社理念として「走りとデザインの良さが生きる道」としていました。
車という工業製品ほどデザインが重視されるものもないでしょう。マツダはたとえ甲鈑を曲げるのが難しいデザインでも、良いとなれば職人が曲げる。なんとかして形にする。そんな強い意思と技術力がありました。最近だと新型のトヨタ・クラウンのダイナミックな大型グリルデザインなども一昔前までは実現不可能なものでした。でも職人が実現させました。
デザインに対して並々ならぬこだわりと重要性の認識がないとああはなりません。このような背景から最近のマツダのトレンドである「魂動デザイン」をロードスターにも落としこむことができ、イメージカラーであるソウルレッドプレミアムメタリックと相まって、見るものの心臓を高ぶらせるデザインを実現しました。
確かに新型ロードスターはみていてドキドキします。他にも好きな車はたくさんありますが、こんなにドキドキさせる車はそうそうないです。
新型ロードスターはATの評価もなかなか高いのが特徴です。もちろんオープンエアスポーツカーですから、意のままに操れるという半分死語になってしまった言葉が似合うこのロードスターのような車は、自分の狙ったタイミングでエンジンの美味しいところをキープし続けてコーナーの変化に合わせた絶妙なハンドリング、路面から受ける凹凸を上手に吸収し、華麗にクリアしていく…そんな連続がいつまでも快感なのですからMTのほうが楽しめることは確実といえます。
しかし、ジャトコ製のATも風を受けて気持よくドライブを楽しむと言うコンセプトなら十分すぎるほどの魅力があるといえます。むしろ大切な人と大切な時間をじっくり楽しむというのならATのほうが運転にのめり込まない分、良いのかもしれませんね。
新型ロードスターの売上ですが、発売直後におよそ3千台の受注を受けたので滑り出しは上々です。ただ、その後は月販500台ほどです。つまり年間6000台ほどでしょうか。この手の車としてはこれぐらいが調度良いと思います。あまりバカスカ売れてもプレミアム感が薄まりますしね。
新型NDロードスターのスペック・主要諸元
マツダ・ロードスターのスペックです。
主要エンジン | スカイアクティブ1.5L直列4気筒ガゾリンエンジン |
トランスミッション | 6MT、6AT |
駆動方式 | FR |
全長 | 3.915mm |
全幅 | 1.735mm |
全高 | 1.235mm |
車両重量 | 1020kg~1040kg |
出力 | 96w、131ps |
JC08モード燃費 | 17.2l |
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ロードスターがいたから、マツダはマツダでいられる
マツダにとって、ロードスターとは特別な存在です。そして私達自動車ファンにとってもロードスターは格別な存在です。
車は単なる移動の手段ではない。このメッセージを一貫してロードスターという形で主張し続けたマツダ。誰でも好きな車を生産しているメーカーってえこひいきして応援したくなりますよね。えっ?そんなことない?ロードスターがカッコいいからデミオを買った。そんな人、きっといると思います。だからロードスターはたくさん売れなくたって、間接的にマツダにとって宝物なわけです。
私は子供の頃、気持ちよく晴れた休日の首都高速で親の運転するセダンを横からスーッと抜いていった、あの小さな黄色い初代ユーノス・ロードスターの後ろ姿が今でも忘れられません。
「父さん!あの車、何??」その黄色い魅力たっぷりな珍しい車を見た少年はとっさにこう叫んだのでした。ロードスターを駆るドライバーは若いお兄さんで、とても幸せそうでした。
あれから数十年、私も大人になり車を買える貯金も貯まりましたが未だにロードスターを買えないでいます。いつでも買えるチャンスはあったのですが、仕事に追われ遊ぶ余裕を無くした私にとってロードスターは眩しすぎました。
でも4代目ロードスターを見ると「さぁ、今度はあなたの番ですよ」と言われているようで居ても立ってもいられなくなります。
待っててくれ、ロードスター、今そこに行くから。
日本を、未来を、人生を楽しくする車、それがマツダ自慢の車、ロードスターです。
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追記 ロードスターRFがラインナップに加わりました。
2016年10月4日よりロードスターのハードトップ仕様車である「ロードスターRF」の生産が開始されました。
こちらのロードスターRFは幌仕様よりも排気量が拡大され2リッターエンジンとなり、40kgほど重くなっています。これは電動でわずか12秒で格納されるメタルトップのことを考えると検討したと思います。
RFの大きな特徴として、クローズ時の快適性とオープン時の開放性を併せ持ちなおかつどの状態でもボディーラインが美しいところにあります。特にÇピラーの流れるような造形は見ていてため息が出るほどの完成度です。オープン時はリアウィンドウも格納できるので気持ちのよい風を感じることができるでしょう。
まぁ私はオープンカー=幌車派なので昔からハードトップ仕様車にはあまり興味が無かったのですが、このNDロードスターRFはオープンカーということを抜いておいてもスポーツカーとして大変格好良いと思います。この艶めかしい感じはかつてのRX-7(FD型)を彷彿とさせるものがありますね。
マツダは万人受けする車作りは行わないと宣言しています。そして社員全員までもがその考えを持ち車作りに勤しんでいるメーカーです。その志の高さが社員皆の士気を挙げ、金属切削等高等伝統技術は受け継がれ、ハイセンスなデザインを持つプロダクトが誕生していきます。
思えばスカイアクティブ技術革新からはじまったマツダの大躍進ですが、多くの人に支持されなくても良いとする思想が独創的で男らしいですよね。だから鼓動デザインのような色艶あふれる独自の意志ある車達を作れるのだと思います。
NDロードスターの兄弟車であるアバルト124スパイダーも公開されるなど近年楽しい車が急に増えて、私達自動車ファンはいつもワクワクすることができるようになりました。今のスポーツカーブームに感謝し、ブームをブームで終わらせることのないよう私達車好きこそが改めて日本のモータリゼーションを深く考え製品選びをしていきたいものだと強く思います。
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