【最終更新日】2018/01/02

マツダSA22サバンナRX-7の歴史。FBセヴンと呼ばれた美しいロータリークーペ

  • 2018/1/22
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今回はRX-7の記念すべき初代モデルであるSA22型の魅力をお伝えします。SA22を語るにあたって、前身であるサバンナRX-3について語らないわけにはいきません。

また、SA22の中古車についての情報もお伝えしますね。


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Contents

ハコスカGT-R伝説に終止符を打った名車の後継、SA22

コスモやファミリア、ルーチェなどでロータリーエンジンをさらに熟成させたマツダが、ロータリーエンジン搭載車種第5弾として発売し、モータースポーツ界で大活躍した車があります。その名もサバンナ、輸出名はRX-3と言います。

当時のモータースポーツ界はまさに、日産・スカイラインGT-R(いわゆるハコスカ)の独壇場でした。最高出力160psを発生させる2.0L直列6気筒エンジンを搭載したモンスターマシンで、ハコスカGT-Rの快進撃を止めることのできる車が登場しないまま、ハコスカGT-Rは49回目の連続優勝を手にし、記念すべき50連勝目まであと一歩に迫ります。

そんなとき、マツダがサバンナRX-3でモータースポーツに参戦。サバンナRX-3が搭載する10A型ロータリーエンジンの最高出力は105psと、ハコスカGT-Rの165psには遠く及ばぬ数値でした。しかし、車両重量はわずか885kg。パワーで劣り、車重で勝るハコスカGT-Rに勝負を挑みます。

その結果、サバンナRX-3は見事総合優勝を果たし、ハコスカGT-Rを打ち破りました。ハコスカGT-Rの驚異的な連勝を止め、ハコスカGT-R伝説に終止符を打ったのです。

ハコスカGT-Rが後継車種のケンメリGT-Rにバトンを渡すまでの間、サバンナRX-3はハコスカGT-Rと激闘を繰り広げます。パワーのハコスカGT-R、軽さのサバンナRX-3は後世に残る数々の名勝負を行い、その名を歴史に刻みました。

そんなマツダ屈指の名車であるサバンナRX-3の後継車種として登場したのが、最強の名車の名を冠するサバンナRX-7、SA22型です。

武骨なサバンナRX-3とは対照的に、美しい流線型のボディラインが特徴のSA22。サバンナRX-3後期モデルに搭載されていたA12型ロータリーエンジンを搭載し、大きなパワーアップを実現しています。のちにマイナーチェンジを行い、日本仕様車のみロータリーターボを設定。このときに型式がSA22からFB3Sに改められ、これがきっかけでFBセヴンと呼ぶ人も。

SA22もサバンナRX-3と同様、モータースポーツ界で大活躍。アメリカでは、プアマンズポルシェというあだ名がアメリカでは流行しました。蔑称のようにも聞こえますが、速くて軽くてよく曲がり、美しいスタイリングなのに低価格、という意味が込められたこのあだ名は、ブランド力の乏しい当時のマツダにとっては、もはや賛美でしかありません。

SA22は1978年から1985年に渡り製造され、2代目となるFC3Sにバトンタッチしました。FC3SはSA22の魅力をさらに引き上げ、3代目となるFD3Sにバトンを渡します。RX-7の最終モデルとなるFD3Sが、発売されてから現在まで、どのような評価を受けているのかを語る必要はないでしょう。RX-7という名を世界に広めたのは、間違いなくSA22の功績です。

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サバンナRX-7のスペック(主要諸元)

全長×全幅×全高 4,285×1,675×1,260(mm)
車両重量 985(kg)
エンジン排気量 573×2(cc)
エンジン出力/トルク 130(ps)/16.5(kgm)
トランスミッション 3AT/5MT
10モード燃費 10.2(km/L)
価格 222(万円)

全幅は狭めですが、全長はFD3Sとほぼ同じ。ボンネットが低いので、ルーフが高く見えますが、実際の全高は1,260mmととても低い部類に入ります。

サバンナRX-3から約100kg重くなったとは言え、1,000kgを下回る軽さ。当時はそうでもなかったでしょうが、現在ではライトウェイトスポーツに分類されますね。ただ、この軽さで130psものパワーを発生させるとそれなりに過激な走りを見せると思います。ターボ車であれば最高出力は165psですから、当時としてはモンスターマシンです。

SA22の10モード燃費は10.2km/Lとなっていますが、これは燃費を改善した後期モデルの数値で、前期モデルはさらに悪いです。現在のJC08モードに換算すると、SA22の燃費は8.16km/L前後となります。

プアマンズポルシェと呼ばれたSA22の価格はなんと222万円。現代の価値に置き換えると、だいたい350~400万円くらいになると思います。

SA22の中古車情報

グーネットで調べてみると、SA22の掲載台数はわずか13台でした。モータースポーツで活躍した旧車なので、中古価格は高騰していると思いがちですが、結果は98~259万円と、全然手の届く範囲です。

ただ、購入するだけなら容易いですが、実際に乗るとなると話は変わります。旧車+ロータリーの組み合わせは維持費の面では最悪の一言。メンテナンスや修理代はとても高いことが予想されます。

パーツの欠品も多いので、簡単に入手することもできません。オークションに張り付いたり、部品取り車を購入したり、ロータリー車専門店に片っ端から問い合わせたり。さまざまな苦労に見舞われるでしょう。

旧車なので塗装も弱く、盗難の可能性もあるので、シャッターガレージでの管理も必須と言えます。SA22の購入を検討するなら、最低でもそれだけの覚悟、準備をした方が良いでしょう。

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最後に

SA22、FC3S、FD3S、RX-7にはどのモデルにもハズレがありません。しかし、この中でどれかひとつを挙げるなら、私はやっぱりSA22が最高の名車だと思います。マツダの車に対する情熱や心臓とも言えるロータリーエンジンなど、共通する項目はたくさんありますが、SA22なくして、FC3SとFD3Sが生まれることはありませんでした。

そして、それは今後の発売が期待される新型RX-7についても同様です。新型RX-7のベンチマークはポルシェ・ケイマンだと言われています。プアマンズポルシェがポルシェを超えるときが訪れようとしているのです。こんな熱い展開への準備が、秘密裏に行われています。いつになるかはわかりませんが、私たちはそのときを楽しみに待ちましょう。





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