車と板金塗装は切っても切れない仲ですね、大小にかかわらず今まで一度も車を疵付けたこと事の無い方はおられないでしょう。そういう時は鈑金塗装屋さんの出番です。そこで今回は「鈑金塗装」のお話です。
鈑金塗装の話と言っても幅広いので、今回はまず中古車屋さんと板金塗装屋さんとの係りについてから書いていきます。直接にはユーザーさんに関わらないお話もありますが、知っておくと自分の車と板金塗装のマッチングについて理解する事の助けにもなります。理解したからどうなんだと謂われるかもしれませんが、いざ自分の車を修理に出す時、無駄な修理をしなくても済むだけでなく過度な期待を持たなくても済みます。
鈑金塗装についてのクレームの多くは、鈑金塗装についての理解不足を因とした過度の期待から発生している物がほとんどなのです。
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中古車屋さんは車によって鈑金塗装屋さんを替える
中古車屋さんは自分で板金塗装は出来ないので、外注に出すことになります。なるべく近くの工場で、大体2社~3社と取引するのが通常です。
その理由は色々あるのですが、2社に分ける事により急な仕事にも対応する事が出来るというよりも、車によって分けるために数社と取引するというのが主な理由です。板金塗装屋さんといっても色々あります。分け方は色々あるのですが、中古車屋さんから見る分け方は次のようになります。
● とにかく安い
とにかく安くしてくれるお店です、展示車両に必要以上の経費は掛けたくはありません、利益確保のためなるべく安く仕上げたいのです。勿論品質も大事ですがその上で安くしてくれるお店です。低価格車や低年式車などを依頼します。メタリックでは なく車体カラーが白いものが主になります。作業時間も短縮出来る物を選んで発注しますので、鈑金屋さんも数で稼ぐ事が出来ます。でも塗装屋さんのプライドのために一言、白い色が簡単だという事ではありません。同じ車の白でも紫外線による経年劣化でみんな違っていて、ドア一枚だけ塗装するとよくわかるのですが、色合わせが得意のお店とそうでないお店でははっきりとその違いが分かります。
● 値段は高いが品質が良い
このお店には、少し高くてもその車格に合った塗装をして貰います。若しくは塗装自体がメタリック系などすこし技術的に高い物ものもお願いします。
● 得意な技術を持っている
このお店は特に仕上がりに気を遣う車に対してお願いします。パール塗装などや特殊な塗装を施されている車などが対象です。それ以外でもお店によっては色合わせが特に上手いお店もこのタイプに当たります。
中古車屋さんは大体このように大きく分けています。このことからも分かるように一口に板金修理屋さんといってもそれぞれに特徴があります。それは工場の設備、経営戦略だけでなく、そこのお店の人の職人技に依存する比重が非常に高いというという事もあります。
鈑金塗装屋さんの実態
一般ユーザーはどこの板金塗装屋さんでも同じと思われるかもしれませんが、それは間違っています。それは大衆食堂も老舗料理店も同じと言っているのと同じです、そこには値段だけでなく明確な差があります。そうはいっても一見したところ分かるような差ではないところがユーザーの誤解をさそう理由でもあるのですが。
昔この鈑金塗装にかかる金額を削減しようとして、自社の展示場の中に鈑金塗装の設備を設けたちょっと大きな中古車屋さんがありましたが、結果2年ほどでスクラップ倉庫になり果てました。原因は人材を確保する事が出来なかったためです。
経費削減を目的とした新規事業など潰れてしまうのは当たり前です。職人である彼らを自社の営業や経理の人間と同じように、サラリーマンとして使おうとしてもうまくいくはずがないのです。彼らの報酬は技術に見合う専門職の報酬としてはそんなに高いとは言えませんが、安く使われているのにはそれなりの理由があります。技術を磨きたいとかそこの社長が好きだとか、とくに仕事の専門職としての誇りを満足させるものがそこにあるからです。
そういうことを考えずに単に月幾らの給料でということでは長続きしません。ですから今でも大手鈑金塗装屋さんなどという物はなかなか出難いといえます。成功させるためには職人のサラリーマン化が必要だと思われますが、そうすると個々人の技術向上をどうやって満足させる事が出来るかという問題に直面します。鈑金塗装の中心は彼らの技術にかかっているといっても過言ではないのですから。
板金塗装屋さんは個人経営がほとんどだという理由はこういう事でもあるのです。またその為経営者の考え方がお店の性格を決定付けることになります。新しい塗装に積極的に対応しようと勉強しているか、もう自分の代で終わりだと諦めているかによっても差が生れますし、なにより経営に行き詰って目先のお金に囚われているようなお店もあるというのが、今ではなく昔からの変わらない現状です。そういう意味ではなかなか進歩し難い業界であるとも言えます。
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鈑金塗装を依頼する時の注意点とお勧め
何度も言いますが、分かって頂きたいのは、鈑金塗装は一様ではないという事です。そのためどこに依頼するかは、まず自身の愛車と向き合う事から始めなければなりません。値段優先なのか品質優先なのか、あと何年ぐらい乗るのか、下取りや売却する予定はどうなのかなどを総合的に判断されて決められる事が重要です。
そうしないと値段と期待とのギャップが生まれかねません。仕上がりに満足できないなどと言う事が生じる因となります。そうなるとその車に乗ることもためらわれて、また鈑金塗装をやり直すか、最悪乗り換えるかという選択に迫られることも容易に想像できてしまいます。
お勧めの鈑金塗装店の選び方としては、中古車の場合は買ったお店に相談することです。そこで値段優勢なのか、品質優先なのか希望を伝えることです。
お店は希望に沿った工場に依頼をしてくれるはずです。例え安い依頼でもそこそこの仕上がりは期待できます。中古車店からの依頼なので、クレームの出るような仕上がりはしません。万が一酷い仕上がりであれば中古車店からクレームを入れてもらい再塗装ということも可能です。
金額的には中古車店の利益が加算されますが、中古車店からの依頼であれば元々業者価格で安いはずですから、ユーザーが直接鈑金塗装屋さんに持ち込む場合と比較しても、まず変わらないか物によってはそれでも安くなるはずです。まず前提として信頼のおける中古車屋さんというのがありますけど、信頼できるお店ならぜひ相談されることをお勧めします。
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