最近よく見かけるカーコ○ビニ倶楽部は、今までのお店とどう違うのか
- 2018/4/6
- メンテナンス
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最近、地方都市と呼ばれるようなところにも、ちらほら見る事出来るようになった板金塗装屋さんのチェーン店があります。今回はそのお話なのですが、実はあまり気が進みません。他人様の評価にはすべからくタッチしたくないというのが本音です。
でも鈑金塗装の話をする上では避けて通れないのも事実です。それに何を今さら、さんざん評価してきたではないかという声もチラホラ。ですからこれから話すことは、私の偏見と独断が混じっているということを頭に入れたうえでお読みいただくと有難く思います。
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Contents
コンビニ塗装の中身
コンビニ塗装とはよく言ったものです、たしかに鈑金塗装を身近なものにするという意味もあるのでしょうが、内容的にも規模拡大の方法はコンビニチェーンとよく似ています。買い取りチェ―ン店と全く同じです。中古車店を対象にしたものと鈑金塗装店を対象にしたものの違いです。
それにしても誰かが道を開けると、我先にと後に続くものが現れるのが定番ですね。知り合いの板金塗装屋さんもこのチェーン店の加入を考えているという方もおられましたが、どうやら場所の問題で条件が折り合わなかったのかその後その話は立ち消えたようです。しかしその頃からあちこち目に付くようになりました。
コンビニ塗装に加盟しているお店は、それまで鈑金塗装を生業としていたお店がこれから先の希望を夢見て参加しているのです。様々な条件を乗り越えて新しく踏み出される姿には、思わず応援したくなるのが人情ですが、そこは冷徹に眺めていると、今までと何が違うのかとツッコミを入れたくなるところも多々あるのです。
コンビニ鈑金塗装に期待する
ただでさえ若者の車離れのため、鈑金塗装業界の仕事受注の絶対数が減少していて、これからもその傾向は続くであろうことは容易に想像できるこの業界において、ユーザーとの親和性向上に活路を見いだす方向は正しいと思われます。
料金の透明性などは今までどうして無かったのかと思う程分かりやすくなっています。これなら鈑金塗装の扉を開けるのに二の足を踏まれる方も少なくなるだけでなく、今までどちらかと言うと、一部のユーザーしか受け付けない雰囲気をまとっていた業界が、女性一人でもコンビニのドアを開けるように気軽に入っていける事は、今まで我慢していたユーザーを掘り起こすことになり市場の拡大が期待できます。
今までの事を考えると一大転換と言えます。もっと発想を飛ばして、見せる鈑金塗装というところまで店舗造りを考えていけば、もっと信頼性が増して単に安さだけでなく、技術の信頼性という付加価値も付いてきます。下町工場の作業現場からオープンキッチンの様な作業場へは、インパクト大だと思うのですが。
安さだけで競争すると消耗戦となり、経営者だけでなく働いている人達も摩耗していきます。そうならない為にも、今のうちに次の戦略を考えるべきです。今までほとんど進化してこなかった業界なのですから、逆に伸びしろは大きいと言えます。
コンビニ鈑金塗装は一様ではない
確かに鈑金塗装の敷居は下がりました。じゃあ実際の中身はどうでしょう、何が変わったのでしょうか、技術的な話です。技術というのは時間的・コスト的に何か今までと特に違うものがあるのか、最終的な品質に留まらず、それは最終的に品質にどう反映されているかという事です。
キズや凹みなどを修理する工程としては、大きく鈑金と塗装に別れます。私が知る限り特別新しい技術が使われているという事もありませんし、特別な材料が使われているという事もありません。正確に言うと全くという訳ではありません、技術や使用する材料も違っているところもあるのですが、それが特別新しいかまた革新的かと言うと、う~ん!と首を傾げざるを得ません。そのノウハウは主に経営の効率化に注がれているように思うのです。
経営の効率化は確かに大事です。それが最終的に品質にも価格にも反映されてくるものですから、ある意味経営の根幹ともいえます。しかしそれを支える重大なひとつに人材があります。ただの人の数ではありません、能力のある人間です。特に鈑金塗装の業界では、コンビニエンスストアのようにアルバイトでもなんとかなるような業界ではありません。職人の集まりとも言える業界です。
一人の職人を育てるのには何年もかかるのです。それに3Kと呼ばれる職場でもあり、給料も決して高くありません。またある意味斜陽産業でもある業界で、どこも経営的には楽とは言えないはずです。その中でどのくらいの人材が育っているのでしょうか、決して多くはないでしょう。とすればどこの店にも平均して優秀な人材がそろっているという事はあり得ません、コンビニエンスストアのようにどこも同じという訳が無いのです。偏りがあるはずです。それがネットにおける評価によく表れているようにみえます。
良い鈑金塗装屋さんの見分け方
“良い鈑金塗装屋さんの見分け方”と言うと何か半分は悪いお店があるように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。ほとんどは技術力と仕事の丁寧さに起因するものです。どんなに技術力があっても、丁寧さに欠けると仕上がりに大きな差が出来ます。
じゃあどうして丁寧な仕事をしないのか、本人自身に問題があるのか、それともお店自体にそれを誘発する要因があるのかそれは分かりませんが、本人自身であるならさして問題なくその内いなくなるでしょうが、問題はお店自身に問題がある場合です。この場合問題が深く潜行していきます。
そうすると一見きれいに仕上がっているが、時間が経つと急速に劣化していくという事があります。ひどいのになると走行中に補修部分のパテがごそっと崩れ落ちたり、表面が年寄りの皴のようになったり、2・3回ワックス掛けをしただけなのに表面のクリアが無くなった等数々見てきましたが、どれもお店自身それも社長さん自体に問題がある場合がほとんどです。
そこで見分け方ですが、これを見ればというものはありませんが、いくつか挙げる事が出来ます。幾つか下に挙げていきます。
- お店自体忙しそうか、いつも見えるところで煙草をふかしながら仲間内で雑談をしていないか
- 入庫している車を見ると改造車などが多い
- いつ見ても入庫している車に高級車が一台も無い
- 対応は丁寧か、金額・期間など必要なことに明確に回答を返してくれるか
これらは外から見てわかることですが、どの業種でも同じことが言えますね。見分け方などと看板をあげてもこの様な事しか挙げられないのが現実です。人の心の中はよくわからないということです。
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我々にできる事
絶対の見分け方は無いと言ってもいいので、私は見分けるのは程々にして、なるべく手抜きを防ぐことのほうが重要ではないかと思っています。その為には絶対に期限を切らないことが大事です。確かになるべく早くと思う気持ちは分からなくはありませんが、それは手抜きを誘発します。
わたしは鈑金塗装においてまず急かすことはありません。初めての取引では必ず、そちらの段取りでおこなってくれても構わない事、それより丁寧に仕事をしてくれるほうが有難いと伝えます。急かして得になることなど何もありません。依頼する方にも様々な理由があり、なるべく早くと思われるかもしれませんが、出来たら余裕を持って依頼して頂く方が、双方にとって良い結果を招くものです。
○○日でとか、今日中にとかという看板が上がっていますが、それは単なる目安と考えて、丁寧に仕上げて欲しいという事を伝える事の方がもっと大事です。
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