【最終更新日】2017/12/01

渦中の新車の無資格検査問題。日産車・富士重工の車を買っても大丈夫なのか

  • 2017/11/27
  • 渦中の新車の無資格検査問題。日産車・富士重工の車を買っても大丈夫なのか はコメントを受け付けていません

このところ日産において、新車出荷時の完成検査を無資格者に行わせていたという問題がメディアを騒がせています。飛び火は富士重工にまで及び、どこまで広がるのか各社戦々恐々としているようです。

 現在車を買い替えたい方や、新しく車を購入したいと思っておられる方々は事の推移を見守っておられることでしょう。日産の新車販売が例によって半減していることから見て取れます。もちろん国内の工場が出荷停止をしているのも原因でしょう。

では、日産車や富士重工車を買っても大丈夫なのか?私は心配ないと思っています。今回はそれがテーマです。あなたの不安解消に役立てば幸いなのですが。

スポンサーリンク

Contents

完成検査って何

そもそも完成検査って何かと言われても、わたしも詳しくは知りませんが、車検時の検査員の様なものではないでしょうか。もちろん車検検査より検査項目は多いのでしょう。

ユーザー車検に行かれた方はご存知でしょうが、車検場の検査員はテスター等を使って、ブレーキ検査・スピードメーターの誤差チェック・排気ガス検査・ライトの明るさや光軸のチェックを行なう以外に、車の下にもぐって下回りの点検として、ボルトのゆるみやオイル漏れなど異常はないか点検しているようです。

民間車検場の整備士さんは法律で決められた箇所だけでなく、もっと幅広く点検されるそうです。ブレーキシュウの検査など車検場ではしません。ただブレーキが利くかを確認するだけですからね。

でも新車完成検査はもっと数多くの点検をしておられます。昔一度NHK番組の中でその様子を流していましたが、ライト・ワイパーだけでなく、その車に取り付けてあるもの、動くものは全て動かして点検していました。もちろんシートの動きまですべてです。あれだけの点検をすごいスピードでこなしておられました。頭が下がります。

法律的にはどうなってるの

そもそも、この検査員資格は国家資格ではありません。この検査の根拠となっているのは、道路運送車両法で安全のための保安基準に適合しているかどうかを確認するために、各メーカーが自社で認定した検査員が完成検査を行うよう国土交通省が通達したものです。

これ法律で決まっている訳ではなく、国土交通省の通達だったんですね。通達って法を勝手に解釈して自分たちの理屈に合ったやり方を押し付けたとも言えるのじゃあないでしょうか。

ですから無理に従わなくても別に罰則はないと思われますが、ただ問題なのは、それを行わないと検査書を発行しないという権限を国土交通書が持っていることです。これを出されるともうひれ伏すしかなく、一言でも反論しようものならどのような返しがあるかわからず。ただただ平伏して恭順の意を表すことになります。

リコールが行われるそうですが、リコールは安全上問題があるということがわかって行われるものですが、今までどれ一台として問題が発生したものはありません。メーカーは品質管理の延長線上に通達の完成検査を行ってきたのでしょう。品質検査の方がきめられた完成検査より厳しいというのは容易に想像できます。完成検査が車検と同じと考えると、車検時の検査は、検査ラインに乗って2・3分で終わります。それに比べて品質管理検査はもっと細かく、そして項目も多いはずですから。

現場の認識

現場にとって検査の重要度は完成検査より品質管理のほうでしょう。完成検査の方は多分に国土交通省にたいする形式的な物だという認識であったと推測できます。

現場とはそういうものです。私の知っている中古車店の社長さんとお茶をしながら情報交換をしているとき、「新しく経理事務を入れたのだけど、どうも頼りない。」という話題になった時私が勧めたのは、「今専業主婦をしているがとっても優秀な人がいる。確かに貴君のところのように簿記資格は何一つもっていないが、実力は保証する」という人物でした。

結果採用にたどり着きましたが、後にまたお茶をした時「彼女はすごい、決算資料まで全部用意してくれて、税理士さんが感激していた。」とおっしゃておられました。要は、現場では実際に仕事ができるほうが、資格がある無しより優先される場合があります。資格を一杯持っている人が仕事が出来るとは限りません。経験値の高い方が上です。

とはいえ世の中の秩序を保つという意味において、幾ら優秀な塾の先生でも教員免許がなければ学校の先生になることは許されません。ブラックジャックの存在も許されません。それはそれで意味のある事です。

完成検査は意味あるのか

ではこの完成検査資格はどうでしょう。あまりに官僚のための資格ではないかと思われるのです。この検査も、国内向けの車両にしか行われません。輸出用の物はしなくていいのです。

どういうことといいますと、検査は各輸出先が自国の基準で独自に行うためらしいのです。その程度のものなのです。もちろん品質管理検査は、たとえ輸出用でも変わらず行われています。それが日本の物造りというものです。完成検査は無くていいとは言いませんが、今の報道の様な、コンプライアンスの問題とかたづけられるものでは無く、その必要性も含めて、もう一度考えてみる必要があるのではないでしょうか。

けっして強制捜査のように立ち入り検査を行い、メーカーに自分たちの優位を示すものでは無いはずです。これを見ていると、日本って明治以来どこまでも官僚支配なんだなと思ってしまいます。

スポンサーリンク

今現在、日産車・富士重工車を買ってなにか問題があるのか

この問題は、リコール隠しや、燃費データ改ざんとは根本的に違います。検査は行われたのです。そしてそれについて未だ現実に、なんの問題も発生していないという事です。品質についても同様です。ただ能力はあるのでしょうが、資格が無かったという事なのです。無くても何の問題も無かったという事です。だから良いとは言いませんが、

現実問題としてわれわれユーザーが日産車・富士重工車を買ってなにか問題があるのかと言うと、何もありません。今までと同じく、ユーザーに対して誠実に対応して下さると信じています。

実際すごくリアルな話ですが、株価も思ったほど下がっていないのです。この記事を書いている時点で1,108.5円と1,100円台をうろうろしています。この値段はいつもの波の範囲です。これだけ賑していても、こんなもんです。市場はこの問題を、輸出が減るというような深刻な問題とは捉えていないのです。私も1,000円台ギリギリになったら買おうと、待っていましたが、どうやら買えそうもありません。

ただ、今まで買われた方々は、リコールが出たため、機械的にはなんの問題もないのに、取扱店に持ち込まなければならず、非常に迷惑を被っておられます。そう意味では日産の罪は軽くありません。またメーカー側もこのため数百億の損害が出るでしょうが、何ら建設的なお金ではないということに、やりきれない思いを持ちます。なんとか当事者同士で納められなかったのでしょうかね、ほら社長が責任を取ってやめるということで納めるとか。実質的被害は何もないのですから。

とにかく品質的には大丈夫です、安心して買って頂けます。こういう時に買いに来てくれるお客さまということで、いつもより多く値引きしてくれたりとか、少しはあるかも。





スポンサーリンク



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly
合わせて読みたい記事です
コメントは利用できません。

スポンサーリンク

サイトコンテンツ

  1. 車を洗ってあなたの心も晴れやかに! 一部のクロカンファンを除き、大抵のクルマ好きなら愛車をいつ…
  2. 車を運転するドライバーにとって、積雪は1番のイレギュラーでしょう。 雪が降ることは自然現象です…

特集記事はこちら

feature-01

ランキング記事はこちら

ranking

プロフィール

mazda-eunos-roadster

はじめまして。このサイトの管理人、
「アドレナ」と申します。

車雑誌の編集部にモグリで働いていた大の自動車ファンです。
このサイトはクルマあれこれ情報をあなたにお伝えしクルマ選びを心底楽しんで頂くため、そして日本にもっと子供のようなクルマ好きが増えればと思って運営しています。

プロフィールの詳細です。

スポンサーリンク

ピックアップ記事

  1. 【特集】マツダを変えた進化の軌跡。技術、デザイン、企業ビジョンに期待

    近年、一番生まれ変わったメーカーといえるのがマツダです。 日本一欧州に近いメーカーとして、今マ…
  2. 【特集】ホンダ新型スポーツカー軍団S660からNSXまで一気に大集合!

    ホンダ怒涛のスポーツカーラッシュ!!このサイトでも取り上げられずにはいられなかったホンダの軽自動車か…
  3. 【特集】日産スカイラインGT-Rの軌跡。日本車のイメージを変え世界でゴジラと呼ばれた車

    日産党って多いですよね。私も以前は日産党でした。そしてGT-Rは昔から大好きな車です。 今回は…
  4. 【特集】人気車ランキング!軽自動車SUVスポーツカーみんな集まれ!

    ランキング記事特集です。 あなたが気になる今年の人気車を各カテゴリー別に集めました。あなたの愛…

自動車ファン掲載雑誌

zasshi-hyoushi

当メディア「自動車ファン.com」が
株式会社三栄書房「最新クルマサイトの歩き方」に掲載されました。

ページ上部へ戻る