【最終更新日】2016/12/17

カルロス・ゴーン氏が三菱の会長に就任!日産と三菱関係はどうなる?

アドレナです。

なんとあの日産の敏腕社長であるカルロス・ゴーン氏が三菱自動車の会長に就くとのことです。

以前から日産と三菱は技術提携を結んだり軽自動車のOEM販売を行うなど協力体制を敷いてきた仲でしたが、ここへ来て日産のトップが経営の苦しい三菱の監視役になるとは予想していなかったです。

この衝撃的な人事に迫ります。


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三菱自動車の会長兼社長、益子修氏は社長に残留

カルロス・ゴーン氏といえば、かつて経営難に喘いでいた旧態依然の日産を崖っぷちで救った男として有名です。また現在でも日産に加え仏ルノーのCEOも務めるなど、その豪腕経営っぷりが高く評価されています。

そんなカリスマゴーンさんが次にテコ入れするのはなんと日本のお役所車メーカー三菱です!

カルロス・ゴーン氏の狙いは?

日産から送られるのはゴーンさんだけではなく、取締役の4人が新しく加わります。以前問題になった三菱の燃費改ざんを起こした技術開発部門にはすでに日産の副社長だった山下光彦氏が三菱の副社長として立て直し目的で送り込まれ改善中であります。

そんな中大将自ら日本の超保守的メーカーといえる三菱自動車のテコ入れをしようってんだから相当な覚悟がある模様です。

 

三菱自動車といえば日本一のんびりしたメーカーというイメージを個人的に持っています。歴史は長く、第2次世界大戦中はあのゼロ戦を製造するなど、今でも日本の重工業部門を根底から支える国家的軍事メーカーといっても過言ではないでしょう。

だから三菱自動車で働く人達はどちらかと言うと保守的です。ホンダやマツダやスズキに感じられるようなアグレッシブさがあまり無いかわりに、利益追求主義でないところから生み出される独創的なプロダクトが魅力のメーカーです。

 

そんなメーカーですから有事の際、その責任の所在も垂らし回しにされることが多く私達一般人からすると見ていて非常にイライラすることが多いメーカーです。燃費改ざん問題もそうですし、大量の組織的な致命的リコール隠し問題もそうでしたが、対応がいつも後手後手で腰が重く、末端の社員さんは一生懸命やっているのでしょうけどサービスを受ける側としてはフットワークがおもすぎて結果的に誠意を感じにくいまるでお役所のような、そんなメーカーでした。

自動車の大きなシンポジウムでも、重要な発言などは他のメーカーの広報に任せ自分たちは蚊帳の外という態度が見られるある意味堂々とした車メーカーであり、もっと言えば車作りなど三菱財閥にとっての全てではなく、「我々が作る車は他の民間企業が生み出した普通の車とは違うのだぞ」というメッセージを随所に感じるような経営体質でした。

このような超保守的メーカーを修正改善しようとはカルロス・ゴーン氏の苦労も半端ないでしょうね。

 

ただやはり三菱自動車のもつ販売網と独自技術は相当魅力的なはずです。タイやインドネシアなどの新興国では道路整備事情もあり、パジェロやトライトンなど優れた4輪技術を持つ三菱車への現地の人気は根強いのです。

またグローバル・コンパクト化が進む流れの中で日産がどうしても抑えておきたいものが軽自動車技術です。日産はトヨタを同じく自社での軽自動車開発を行っていません。だから三菱の持つ小型低コスト生産などの軽自動車技術が欲しいわけです。

 

カルロス・ゴーン氏はかねてからスケールメリットを強調してきました。つまり三菱の筆頭株主になることで傘下に収め、世界第3位であるGMを追い抜こうと連合軍を作ろうとしているのです。

確かにルノー・日産・三菱の力が合わさりそれぞれのポテンシャルが最大化すれば、今世界自動車販売台数で3位のGMに肉薄している状況から一気に追い抜けるかもしれません。そうすればトヨタ、フォルクスワーゲンに続いて世界ビッグ3の一角を担うことになるのですね!いやーゴーンさん野望のスケールがデカくて凄いです。

 

今後の三菱自動車のプロダクトはどうなるのか?

私は元々三菱車が好きでした。車好きになってしまったのもパリダカで大活躍するパジェロの勇姿を見たことがキッカケですし、デリカやランサー、それにパジェロミニ(絶版)などどれも独創的で大好きでした。

ただ、いざ三菱車を買おうとなったら敷居の高さを感じたのも確かです。全国にあるトヨタ系販売チャンネルのディーラーサービスと比べても見劣りするし、しょっちゅうリコールが起きたりするしで安心して乗ることができないイメージがありました。

商品コンセプトは素晴らしいのですから、その後の製品品質と販売力、サービス力さえ上がればとても素敵なメーカーになるだろうなと思うのが三菱自動車というメーカーです。

 

カルロス・ゴーン氏がテコ入れするのは主に旧態依然とした役員気質の経営に対してでしょう。組織が巨大すぎるがゆえ、恐らく従来からの利権に乗っかった多くの抵抗勢力がいるものと予想できます。日産から送り込まれた刺客達は彼らの圧力に屈しずに消費者の利益となるような方向性に修正していただきたいなと思います。

今の三菱にとって何より最も大切なことは、一般消費者が持つ三菱への「信用回復」なのですから。

 





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