2018年3月、全ハイブリッド車&EV車にの搭載義務化!一体どんな音になるのか?
予てから危険だと言われていたハイブリッド車やEV車の走行音。
ハイブリッド車にはエンジンの他にモーターを搭載しています。このモーターがエンジンの苦手分野である低速走行時や加速時をアシストして、燃費の悪化を防いでいるわけです。各メーカーでハイブリッドシステムは少しずつ異なるので一概には言えませんが、一般的なトヨタのハイブリッド車などは、低速走行時にモーター駆動のみで車両を動かしています。
さらに、電気の力で走るEV車は全ての動力をモーターで補っていますが、モーターはエンジンと違って音がしません。正確にはしているけど、ボンネットに遮断されて非常に聞こえづらいんです。夜はライトで照らされるので問題はありませんが、昼間は後ろからプリウスなどが接近してきても全く気づきません。
実は僕も一度、ハイブリッド車の接近に気づかなくてヒヤッとしたことがあるんです。その時はハイブリッド車のドライバーが私を認識していたので事故に発展することはありませんでしたが、万が一、ドライバーが私を認識していなければ大変なことになっていたでしょう。
このような事例が相次ぎ、歩行者の安全を妨げると言うことで、ついに2018年3月、接近音装置(車両接近通報装置)の搭載が新規生産のハイブリッド車とEV車全てに義務付けられました。
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車両接近通報装置ってなに?
2018年3月に新規生産車への搭載を義務付けられた車両接近通報装置ですが、実は既に多くのハイブリッド車に搭載されている装置で、周囲の歩行者に車両の接近を音で知らせることを目的としています。各メーカーで装置の作動速度域は異なりますが、だいたい20~30km以下で走行している際に装置が作動します。
車両接近通報装置はハイブリッド車・EV車のフロントバンパー内に設置されていることが多いです。フロントバンパー内に設置されたスピーカーから、モスキート音のような独特な音が発せられます。人によって聞こえ方は様々ですが、「ミィーン」とか「キーン」のような感じで、人によってはモーターが回っている音だと思い込んでいる人もいるのではないかと思います。
そもそも車両接近通報装置は、視覚障がい者の団体の要望でトヨタがプリウスに取り付けたとのことです。確かに、音で車両の接近を判断する視覚障がい者にとって、ハイブリッド車やEV車は脅威でしかありません。視覚障がい者が一人で夜に外出することはそう多くないかもしれませんが、ヘッドライトで判断することもできませんし。このような事情も含めると、より早い段階で車両接近通報装置の搭載が義務付けられていてもよかったのかもしれません。
現状でもほとんどのハイブリッド車・EV車には車両接近通報装置が搭載されていると思います。そして、今後生産される車両はおそらく全車に搭載されることでしょう。このように、わざわざ義務付けなくてもどのメーカーも装置を搭載しているんですね。それが、最初にプリウスに搭載された2010年から8年も経過した今、義務付けることになったのでしょうか。
実は今回の車両接近通報装置の搭載義務は、日本に限らず全世界で実施される世界基準なのです。その主導権を握ったのは自動車大国であり、ハイブリッド大国でもある日本ですが、今回の義務化にあたり、各メーカーが独自に設定していた接近音や音量、周波数などが統一されるとのこと。視覚障がい者はもちろん、耳が遠くなる高齢者にもしっかりと聞こえるように考慮されています。
装置のオンオフはドライバーが決めることができるのか?
個人的に私がこのままでは良くないと感じた部分は、車両接近通報装置作動の有無がドライバーの任意で決められるところ。人によっては不快にも感じる装置の接近音ですが、装置を搭載していても作動させていなければ何の意味もありません。おそらく車両接近通報装置の搭載義務化以降は、ドライバーが装置の作動を任意で決めることができなくなると思います。
私はハイブリッド車・EV車を所有したことがないので、車内にどれほど接近音が聞こえるのかはわかりませんが、実際に装置をオフにする人がいる以上、それなりに車内にも聞こえてしまうのでしょうね。歩行者は車が近づいて通り過ぎるまでの時間、接近音を聞いていれば良いですが、ドライバーは低速走行時、常に耳にすることになります。
接近音は独特な音なので、長時間聞いていれば不快に感じるかもしれません。しかし、事故を未然に防止するためにも、車両接近警報装置の搭載義務化はもはや必然です。2018年3月以降の新規生産車からは接近音がさらに大きくなるようですから、各メーカーには接近音が車内に入らないように対策をしてほしいですね。
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最後に
全ハイブリッド車及びEV車に車両接近通報装置の搭載義務化は非常に良いことだと思います。装置の搭載義務化によって、事故を少しでも未然に防止することができれば、それだけで装置の搭載を義務付けた意味があったと言えるでしょう。ただし、装置の搭載が義務付けられたからと言ってドライバーが注意を怠ってよいわけではありません。今まで通り、安全運転をしていきましょう。
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