ハイブリッドカーが売れています。
人はどうしてハイブリッド車を選ぶのでしょうか?そこにはきっと各々理由があるはずです。
何を今さら感が強いですが、どうしてこんなにハイブリッドが売れているのかを紐解くために、実際にハイブリッドカーを購入したオーナーさんたちがどういうメリットを感じて購入したのか?や、ハイブリッドカーに乗ることによって起こるデメリットをまとめてみたいと思います。
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Contents
ハイブリッド車の7つのメリット
まずはハイブリッド車のメリットからご紹介します。一気に並べるとこんな感じです。
- 高燃費
- 維持費が安い
- 減税
- リセールバリュー
- 静かで快適
- 環境負荷が低い
- 次世代運転フィールを味わえる
では1つずつ解説していきます。
高燃費
ハイブリッド車に乗ることの最大の最大のメリットがこれでしょう。ハイブリッド車はその仕組みのお陰で、ガソリン車よりも実燃費で3割~5割以上もガソリンを使わずに走ることが多いです。特に市街地などの燃費が悪化する走行シーンなどでも高燃費を維持しますから、給油回数が減ってお財布に優しいですし、割りとガソリンの残量を気にしなくてすむようになります。
燃費が悪くて嬉しいなんて言う人はほぼいないですから、間違いなくこれは大きなメリットですね。
維持費が安い
ハイブリッド車は一度購入してしまえば維持費が安いです。なぜならガソリン代が浮くからですね。車にかかる大きな維持費は車庫代や保険料、税金などさまざまですが、走行距離を多く走るドライバーにとってガソリン代というものの占める割合は大きなものです。
私も月のガソリン代が2万円超えるような月は負担を感じてましたので、ハイブリッド車はいいなぁと思ったりもします。
減税
ハイブリッド車を新車で購入するとエコカー減税など数々の減税優遇措置を受け、車にもよりますが5万円ほど安くなります。さらに初回の車検時のみ、掛かる重量税が約半額と再び安くなります。
政府としては買い替え促進キャンペーン中なので、今後も減税措置は続くでしょう。
リセールバリュー
ハイブリッド車は中古も人気があります。状態の良い中古ハイブリッド車などはけっこうな高値で取引されています。つまりハイブリッド車を売るときも高額な査定が付くことが多いです。
時には新車購入時にガソリン車よりも割高で購入した差額分以上の買取価格差が生まれることもありますので、コスト面にシビアな人はここらへんが一番の購買動機になったりもします。
人気車を選んで無難なカラーをチョイスすれば、リセールバリューを期待できますからトータルコストも下がるでしょうね。
静かで快適
ハイブリッド車のモーター駆動時は本当に静かです。郊外の自然豊かな静かで美しい場所に出かけたとき、エンジン音があるのと無いのとではリラクゼーション効果が大違いです。
当然車内も静かですから会話も弾みますし、周囲の音がよく聞こえますから事故防止にもなります。走行中の異音なども聞き取りやすいため、車体の不具合にいち早く気付くことも可能です。
環境負荷が低い
エコカーというネーミングはエコノミーとエコロジー両方入っていますから、環境にも優しいと言われています。なぜならガゾリン燃焼による排気ガス排出が少ないからですね。
確かに車単体で見れば環境負荷はガソリン車よりも低いです。これは自然保護意識の高い人には満足度の高い項目でしょう。
次世代運転フィールを味わえる
ハイブリッド車の運転フィールは独特です。ガソリン車と違い、走行の出だしにシュワーンとスムーズに加速し、後はCVTやエンジン、モーターの兼ね合いでどんどんフィールが変化していきます。
最近巷を賑わせている日産ハイブリッド車のノートe-POWERなんかは電気自動車のそれですから、圧倒的なトルク感を感じながらスムーズな走り出しを味わうことができるでしょう。
また、ハイブリッド車を上手に運転しようと思ったら、アクセルやブレーキ、ハンドル操作に神経を尖らせ、無理なく慎重にタイヤを転がせないといけません。その間、電気の流れを伝える各メーター類もせわしなく動いていきますから、運転というよりもまるでゲームを楽しんでいるかのような感覚に包まれるでしょう。
それが楽しいという人にとって、ハイブリッド車の運転は燃費というスコアで常に評価されますからとても楽しいものだと思います。
以上、ハイブリッド車に乗ることで得られる7つのメリットでした。
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ハイブリッド車の7つのデメリット
では次にハイブリッド車に乗ることによるデメリットについても触れていきます。新しいものである以上、デメリットも存在します。ハイブリッド車にデメリットが一切なかったらガソリン車はまったく売れなくなるでしょう。でも現実にはまだまだガソリン車のほうが首位です。その要因は次のようなものです。
- 重い
- 高速燃費悪い
- バッテリー寿命
- 修理代金などメンテンナンスが高い
- 新車価格が高い
- 静かすぎて危ない
- 運転がつまらない
それでは1つずつご説明していきます。
重い
モーターはでかいバッテリーを搭載しないと成り立たないハイブリッド車は重いです。運動エネルギーの塊である車にとって、重いというのは慣性上不利ですからあらゆる成績上の面で数字が落ちていきます。
走る曲がる止まるといった車の基本特性は、物体の質量に左右されます。高校の物理で習った、運動エネルギー(K)を求める式は…
K = 1/2・mv2
となります。mは質量、∨は速度ですから、重い車がスピードを出せば出すほど曲がらないし止まらないということになります。この点でハイブリッド車は運動成績がどうしても低くなってしまいます。
高速時の燃費が大して良くない
恐らく日本のハイブリッド車が海外でそれほど評価されない最も大きな理由はこれでしょう。ハイブリッド車が高燃費を出せるのはエンジンが苦手なスタート時をモーターでフォローしたり、ブレーキ時の運動エネルギーを熱エネルギーとして大気に放出してしまうロス分を回生エネルギーとして回収することができるからです。
しかし高速道路のような高速巡航中はストップ・アンド・ゴーもないしブレーキもあまり踏まなくなるのでハイブリッドの仕組みを生かすことができません。盗難アジアなどを除く欧米のほとんどの国では日本ほど渋滞しませんし巡航スピードも早いですから、例えば日本のハイブリッドカーとフォルックスワーゲンのゴルフの燃費がほとんど変わらないどころか、走行シーンによっては逆転してしまうし、これがゴルフのガソリン車ではなくクリーンディーゼル仕様車であったらなおさらです。
バッテリー寿命
ハイブリッド車の強みといえるモーター駆動を実現するためには大きな電池が必要です。その電池の役割を担っているのがハイブリッド車専用の大型バッテリーです。そして電池ですから当然寿命があります。
今までハイブリッド車のバッテリーは10万キロで交換、それに一度交換となってしまえば工賃込みで50万円ほど掛かるといわれていました。そのため初代プリウスなんかはバッテリー無償交換キャンペーンなどを展開していました。
バッテリーはいつか尽きるものですから交換費用が恐ろしく感じますが、近年のバッテリー性能は飛躍的に向上したようで、15~20万キロ乗っても寿命が来ないように耐久力がアップしたようです。そのため今はバッテリーに関しては大きなデメリットとはいえないかもしれませんね。
修理代金などメンテンナンスが高い
車が故障したらメカニックのいる整備工場に持ち込む人が多いのですが、やや高額なディーラーを避け、町工場やあるいは自分で直してしまう人もいます。そんな時ハイブリッド車の複雑な電気系統をきちんと理解し整備できる技術のあるメカニックが現状まだまだ限られるため、やはりメーカー直営のディーラーへ持ち込むこととなり、普通車よりも高額な工賃や交換パーツ代を請求されてしまいます。
エコカーをエコノミーカーと認識して購入したユーザーからしたら、やはり整備費用等含めたメンテナンス代が安い軽自動車のほうが魅力的に映るのではないでしょうか?
新車価格が高い
ハイブリッド車は高いです。同じようなグレードのガソリン車よりも1.5倍ほどするのが現状です。そのため、多くの人がガソリン代の差などの維持費、つまりランニングコストと新車購入時に掛かるイニシャルコストを見比べてうんうん悩んで決断するのですが、まぁ元を取れないことが多いです。
私も初代プリウスが出たときには「まぁそのうちバッテリー価格も下がって、本当に10年トータルコストでハイブリッド車が有利になっていくのだろうな」なんて思っていましたが、今やハイブリッド車のライバルはガソリンエンジン車ではなく、優秀な燃費を誇る欧州のクリーンディーゼル勢ということになりました。
「限られたシーンで高燃費の我慢して乗るイメージが強いハイブリッド車」VS「どこでも高燃費で素晴らしいハンドリングの欧州ディーゼル車」では、かなり不利な気がします。日本頑張れ!
静かすぎて危ない
これは私自身何度も危ないと思いました。なにがって、そりゃ音も立てずに「す~っ」と鉄の塊に迫られたら生命の危機を感じますって。特に繁華街などはハイブリッド車の静かさが仇となり、誰も気付いてくれないので歩行者に接触しそうになっています。危ないです。
なんでも、意図的に走行音を出す装置を行政とメーカーで検討中らしく、笑えるような真剣なお話です。いったいどんな音になるのでしょうか?たのむから昔のケータイのようなけたたましい電子音などは避けていただきたいです(笑)。
余談ですが、私は昔、コスト面から電動バイクというものを購入しようかと検討したことがあります。しかし音の出ない二輪などぶつけてくださいというような乗り物だということに気付き購入を断念したことがありました。
現代の複雑な交通事情の上では、乗り物には最低限の自己アピール音を発する義務があると思います。
運転がつまらない
やはり現実としてハイブリッド車に乗る人のなかでも運転好きクルマ好きの皆さんには「運転がつまらない」、特に「車体が重い」「路面状況がよく伝わってこない」「一体感がない」「意のままに操れない」なんて声も聞こえてきます。
私はハイブリッド車というものはゴールではなく次世代へ車文化を繋ぐためのバトンのような存在だと思っているので、今は仕方のないことだと思っています。
ハイブリッド車はエンジンとモーターとそれらを繋ぐ複雑なミッションを持ち、高度な制御装置のアシストを受けてドライバーの運転を成り立たせているややこしい乗り物です。そのためコンマ台であらゆるテンポが遅れ、無理が掛かるのも止むをえないことでしょう。
ドライバーが「次のコーナーの入り口はこのギアまで落とし、これぐらいのスピードで侵入して、あのクリッピングポイントまで耐えた後ニュートラルからじわっと加速してアウト側へスムーズに飛び出していく」なんてことを考えていても、ハイブリッド車は燃費優先ですから指揮系統が混線して車はぎくしゃくしてしまいます。ハイブリッド車はそもそも車に乗る意味が普通の車とは違うところにあるということを認識しないといけないのです。
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ハイブリッド車のメリットデメリットまとめ
このようにハイブリッド車はメリットとデメリットが相反する乗り物です。しかしそんな心配をよそにハイブリッド車は売れています。今はハイブリッドという響きだけで、なぜか新鮮でエコでインテリで経済的でクールというイメージが先行していますから、消費者の見栄、自己顕示欲、承認欲求などを利用したいメーカーとしてはなんてもハイブリッドという冠を被せたがるという構図が生まれています。
車はもともと物体をA地点からB地点まで運ぶためのものです。それ以上でもそれ以下でもありません。より早く、より安全に、より経済的にと。ところがそこに楽しみを見出した者たちがいました。そして彼らがが今の車文化を創ってきたのです。
もしかしたらそんなカーガイともいえる人たちが考えに考え、そうして地球規模で車の事を捉えた結果ハイブリッド車が生み出されたというのならそんなに素晴らしいことはありません。でも今販売されているハイブリッド車で、心からワクワクするような車はほんの一握りだけです。あとの車は今流行りのよくできた高級家電のような雰囲気を持っています。そのうちハイブリッド車は価格.comで購入するのが当たり前になるかもしれません。
私は、燃費リッター30km走るひたすら運転がつまらなくて見た目もゲンナリなハイブリッド車と、燃費リッター10km走る運転のすこぶる面白くてエクステリアも魅力的な車どちらか選べと言われたら、即答で後者がいいと答えます。なぜなら私にとって、車は単なる移動の道具ではないからです。常に感性を刺激し人生を形作る創造性あふれる物体だからです。
クルマ好きにとって本当に欲しいと惚れ込んだ車は、メリットは100倍魅力的に映り、デメリットは個性としてそれもまた魅力的に映る不思議なものです。ぜひそんなハイブリッド車に出会ってみたいものです。
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