欧州からはじまったEVへの流れ、本物なのでしょうか。
あのボルボも2019年以降から全ての車種を電気自動車もしくはハイブリッド車にするそうです。アメリカのテスラも参入していますし、中国もガソリン車やディーゼル車などの生産・販売を禁止するとかしないとか。
その他にも部品メーカーのボッシュも日本のベンチャー企業のGLMと先月提携したようですし。この会社の筆頭株主が香港のファンドというのも気になりますが。日本も日産が既にリーフを出していますし、トヨタとマツダが手を組んだりと忙しいようです。それにしても日本の投資環境は今も官僚的です。先のGLMに投資しようとする日本の投資機関が少ないのも問題です。
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それぞれの思惑
まあそれぞれの思惑は違っているようですが、この動機がの違いがむしろこの流れを加速しているようです。
ヨーロッパ
ヨーロッパ圏はやはり地球温暖化が主な動機なのでしょう。地球温暖化対策は正義の戦いのような狂信的な物を感じて、わたしはどうも胡散臭さがぬぐえません。一神教のせいか、なんでも善と悪をはっきり分けて、極端に走りすぎる傾向にあります。喫煙運動がその典型です。常軌を逸しています。日本もこの病気に掛かっていて、筒井康隆の作品の中に“最後の喫煙者”というのがありますが、なんかその世界に近づいているようでちょっと引いてしまいます。
アメリカ
アメリカなどは、この流れを利用して何とか儲けられないかと狙っているハイエナのようです。お金の臭いを嗅ぎつけているようです。でもアメリカ自体が大きな市場ですので、自分たちのルールが世界のルールだという驕りがあります。そのためこの流れに対する危機感はあまりなく、まだまだ、お金になりそうだという動機にとどまっているようです。
中国
中国の思惑はもっとしたたかのようにみえます。自動車業界にとって一番の市場である中国は自動車産業においても、覇権を狙っているようです。でも実際には長い実績のある世界のメーカーに追いつくことは至難の業です。他業種のように中国に合弁会社を作らせ、そのノウハウを吸収し、もう得る物が無いとなれば、色々理由を付けて追い出し後は自分たちでその利益を独占する。いわゆる多くあるチャイナリスクの一つですが、どうやら車だけはうまくいかないようです。車一台製作するには多くの裾野産業が必要で、それらをすべて育成するのは難しく、それも一流でなければ世界に並ぶ車は作れませんからね。
そこで車産業を0から始められる、とまではいかなくても肩を並べる可能性があるのが電気自動車です。エンジン性能と制御では太刀打ちできないので、ルールを変えてしまえという事です。すでに自国メーカー製品にのみ補助金をあてて、外国車は排除に向っています。
日本
この分野では日産が一歩先を進んでいます。リーフはもう7年目2代目になります。トヨタは遅れているといわれますが、プリウスの発売から20年、その間に培った技術の蓄積が無駄とは思えません。きっと難なく追いつくと思っています。
日本の市場は縮小の一途をたどっていて、どうしても世界を相手に戦わなければいけない事情があります。しかしその危機感が日本を強くしてくれると思っています。その力は十分にあると思っているのですが、ただ問題は政治です、応援して欲しいとは言いませんが、獣医学部一つ作るだけであの騒ぎ、ぜひ邪魔をしないで頂きたいものです。
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EVへの流れは本物か
この流れは本物でしょうか、わたしは本物になると思っています。ただし時期としては、製造業界の再編のためというより、混乱のため、少し遅れると思っていますが。
その理由として、EVへの流れを阻む動機が見当たらないのです。かたや宗教的、かたや政治的と動機の理由が強すぎます。ここに経済的動機が加わってしまうと、別の道を唱える声はかき消されるでしょう。歴史上この三つが揃った時、流れはもう決まっていると言ってもいいくらいです。十字軍にしても、大航海時代に始まってからの帝国主義の台頭にしても、行くとこまで行かなければ、済まなかったのと似ています。
またバッテリー技術の進化がその実現を保証しています。
EV車による製造業ピラミッドの崩壊
エンジン車がEV車になるとどの位の部品が無くなるのでしょう。普通に考えて、エンジンはいらなくなるため、それに付属する物は殆どいらなくなります。燃料系・排気系すべて無用です。ミッション系もいらなくなりますね。
EV車に必要なのは、モーター・蓄電池・インバーター これくらいでしょうか、もちろん車種ごとに適切にモーターを制御する技術が大事になりますが。構造的には実にシンプルです。
こんなに不必要な部品が多いと、今までの製造業ピラミッドは崩壊します。車メーカーの下には様々な会社がいますが、半分残るでしょうか、のこっても生産縮小は避けられないでしょう。とにかく要らなくなるのです。燃料タンクを作っている会社も、マフラーを作っている会社も、ベルト類を供給している会社、その他多くの製造会社が不要になります。車に依存した経営をしている会社はひとたまりもないでしょう。
その代わり台頭してくるのが、モーターメーカー、今頭に浮かぶのは、日立・日本電産・安川もそうでしょうか。蓄電池ではパナソニック・NEC・ユアサなどでしょうか、それらはもう自動車メーカーの傘下ではありません。それぞれ独立したメーカーです。むしろ立場的に彼らの方が強いかもしれません。
これらについて、未だTVも新聞も報道しているのを見た事がありません。知っていて、まだ先と楽観しているのか、理解していないのか判りませんが、とにかく大変革が起こります。日本は特に影響を受けます。また大量解雇、連鎖倒産の不況の波が一時的にせよ、起きるはずです。過去の建設・造船・繊維不況とは違い、今度は社会構造の変化をともなっています。影響をもろに受ける愛知はどうなるのでしょう。
そう遠い未来ではありません。その時、世界は容赦ありません。日本のためにソフトランディングなどありえ無い事を肝に銘じて置くことです。
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崩壊の後の未来
崩壊の後に新しい世界がやってきます。今まで見た事の無い世界です。くるまの自動運転も始まるでしょうし、走りながら充電することも出来るようになるでしょう。事故も減らす事が出来たら保険も安くなります。
大量生産されると、モーターも蓄電池も安くなるでしょうから、車両価格もぐんと安くなるかもしれません。そう考えると悪い事ばかりではありません。ほんとに、もうすぐですよ。どちらにせよ、心つもりしておいた方がいいですよ。特に、 いまから就職先を考えておられるあなた、御再考をお勧めします。
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