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ミニバン顔面整形ランキング世界一!異常な事態のニッポン!
- 2016/7/30
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アドレナです。
前回の記事、2016ミニバン大好き日本人による人気ランキング!なぜこんなに人気なのか?では記事公開後に大きな反響がありました。
やはり皆さん今の日本の異常なミニバン人気に首を傾げているようです。そこで私が面白クルマ好き代表として日本のクルマメーカーに訴え、清浄な面白クルマ文化を育てるべく、オラオラドヤドヤ顔の品の欠片も無いミニバン達を成敗したいと思います。笑
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Contents
全てはエルグランド討伐から始まった
もともと日本のミニバン市場はホンダがオデッセイで販売攻勢をかけた結果大きくなりました。その後は各社利益率の高いミニバンをこぞって作り、日本にミニバンと言う立派なカテゴリーが誕生しました。
当初ミニバンといえばファミリーユース用にトヨタ・イプサム、トヨタ・エスティマ、トヨタ・ノア、日産・セレナ、ホンダ・ステップワゴン、マツダ・ボンボフレンディー、三菱・デリカなど多数ありましたが、ひとクラス上の高級ミニバンとして長らく君臨してきたのが日産・エルグランドでした。
日産エルグランドはどすこい相撲取りのような迫力のある出で立ちと顔面を持っていましたので、地方のヤンキー達やちょっと威張りたいおっさん達に人気のミニバンでした。
当然日産以外のメーカーもこのカテゴリーに参入しましたが、エルグランド人気は桁違いで「どすこい!」と張り手を喰らい吹っ飛ばされ、その牙城を崩すことはできませんでした。
トヨタの送り込んだ刺客、アルファード
ところがそんなエルグランドを倒すために新たな刺客がトヨタから送り込まれました。それがトヨタの「アルファード」です。エルグランドの持つ「ドスがきく」顔面よりもさらに上を行くオラオラドヤドヤな顔面を持ち、ひと目でそれとわかる見栄の塊のようなエグいデザインでした。(失礼!)
初代アルファードがデビューした当初私は「こんな油ギッシュなおっさんデザイン売れないだろ」と思っていたのですがメガヒット!!あっさりエルグランドの販売台数を抜き去り、その後も凄まじい売上を記録し続けました。
ホンダもエリシオンという刺客を送っていた
同時期にホンダも高級ミニバンである「エリシオン」を出しエルグランド討伐に打って出ました。
私は比較的個性的だったエリシオンが好きで「ホンダがんばれー」とエールを送っていました。ところが市場は全く見向きもしませんでした。売上比率で言えばアルファード6,エルグランド2、エリシオン1.5ぐらいのイメージでした。エリシオンはモデル末期のエルグランドにすら勝てませんでした。
「迫力がない」「車内狭い」「シート小さい」と散々な評価のエリシオンでしたが、実際に車内を見てみると広々としていて上品なデザインで私は高級ミニバンカテゴリーの中で一番まともだったと思います。
しかしこのカテゴリーのミニバンを購入するユーザー層は「とにかく迫力があること」「大きく見えること」「2大メーカーであること」を求めました。つまりトヨタか日産でないと駄目だったという訳です。保守的ですねぇ~。
その後も売れなかったエリシオンは迷走を始め、最後はアルファードそっくりになって市場から消えてしまいました。
ライバルのアルファードになろうとして結局なれなかったエリシオン…。もともと逆輸入車ホンダ・ラグレイトの後継だったのだからもっと堂々としていれば良かったのに…。
頑固者のホンダが折れてしまうほどアルファードの顔にはターゲットユーザー達を引き寄せる力があったのでしょうね。
ミニバンよ!右にならえ!右向け右!
さあ大変なのがこの後です。
日本のクルマメーカー達はアルファード顔がモテモテだという事実を突きつけられ次期新型車にエッセンスを投入していきました。
セレナは?
それまでずっとファミリーユースとして身近な存在だった日産・セレナも当初はとても個性的なデザインでした。初代セレナはまるで森のくまさんのような雰囲気を醸し出しています。自然にも溶け込めそうなデザインですね。
2代目でファミリー色が強くなりました。かなり「遊び」をイメージしています。
このフレンドリーな感じから進化を重ね、こうなり…
そしてこうなりました。
まるでアルファードさんリスペクトしてます!という感じのメッキギラギラ感ですね。最新のセレナはヘッドライトの造形に少しエルグランドテイストも混ぜてきました。
せれなさん、ごちゃまぜチャーハンお疲れ様です!
ステップワゴンは?
ステップワゴンも同様です。初代はひと目でそれと分かるホンダらしいデザインでした。この車は日本に5ナンバーミニバンブームを巻き起こした張本人です。
2代目も無骨でかなり個性的です。このデザインはフランケンシュタインの顔のようなようなユニークさがありますね。
3代目は少し奇をてらい過ぎな感もありますが、個性派揃いなホンダさんですからまだ良い方でしょう。
さて4代目です。
ん?セレナ??アルファードかな??いやいやステップワゴンですよ!!
ノアは?
これまたファミリーユースとして支持を集めてきたトヨタ・ノアでしたが、最新モデルである3代目は「アルファード先輩!俺、尊敬しています!!」とばかりにメッキ顔のオラオラドヤドヤチューンに走った結果…
えーと、おたくはどこのミニバンでしょうか???
もはや各社とも個性の欠片もありませんね。クルマ好きの私ですら、エンブレム見ないとパット見で車種を判別できないまでになってしまいました…笑
もう一度セレナを見てみましょう。
はい、ステップワゴンを見てみましょう。
はい、アルファードを見てみましょう。
消費者なめとんのか・・・。
ギラギラの不良顔は良い子にまで影響を及ぼした!
日本でミニバンといえば3ナンバーや5ナンバー車を指しますが、軽トールワゴンの存在を忘れてはいけません。ターゲット心理として、フルサイズミニバンを購入するユーザー層と軽トールワゴンを購入するユーザー層のカラーは似ている部分があります。
そう、フルサイズミニバンのデザイントレンドが軽トールワゴンにも波及しているということなのです。それでは最新スズキ・ワゴンRのデザインを見てみましょう。
メッキです!クロムハーツ買えないからメッキのピアスしてます!だったらウッドかラバーで攻めようよ…。初代のポリシーはどこへやら。
いよいよスズキワゴンRの新型が2016年フルモデルチェンジ!
でもワゴンRはまだ良い方かもしれません。ダイハツ・ムーブカスタムを見てみましょう。
良い子はタバコを吸っちゃいけませんってば!!
このように悪いお兄さん達によって悪影響を受けてしまったかつての良い子達。今の軽トールワゴンは小ヤンキーたちの好奇の的です…。
軽トールワゴンはもっと原点に帰るべきだと思います。そう、それこそこのカテゴリーを日本で一番最初に生み出した「ホンダ・ライフ ステップバン」のように。
今のハスラー人気を見ても、この優れたデザインなら今の遊び心たっぷりなユーザー層に売れると思いますけどね。それにしてもこの車のデザイン、センス良いなぁー。
進化を経てミニバン達は…
このようにアルファード一神教と化した日本のミニバンメーカー達でしたが、もはやメーカー間で差別化できなくなってしまった今、アルファード様はさらなる進化を遂げられました。
それでは現在、最新のアルファード様はどのようなお顔なのでしょうか、その上様の麗しき御尊顔を拝し奉り、わたくしめ恐悦至極に存じ奉りまする…。
「は、はは~~~!」「うむ、よいよい。そなた、顔をあげよ…」
もはや個人用乗用車ではなく、官公庁政府御用達重役車のような迫力です。実車見るとゴツゴツの壁が迫ってくるような威圧感を感じますよ。これ乗ってて恥ずかしくないんですかね??
そういえば最新の日産エルグランド様はどんなお顔なのでしょうか?
「は、はは~~~!」「うむ、よいよい。そなた、顔をあげよ…」
以前のエルグランドらしさがすっかり消えてしまいました。
ついでに男らしさを無理やりアピールしていたトヨタ・ボクシーの上級版ミニバンである「トヨタ・エスクァイア」様はどんなお顔なのでしょうか?
「は、はは~~~!」「うむ、よいよい。そなた、顔をあげよ…」
っておい!みんなグリルばっか立派にデカくて同じ顔じゃねーか!!
大衆はパルテノン神殿などの巨大で重厚な構造物を見ると得体のしれない権威を感じひれ伏すと言われています。ミニバンは神にでもなったつもりでしょうか?
ここまで売れ筋ミニバンの顔を見続けていると気持ちが悪くなってきましたのでそろそろやめにしたいと思います。汗
最後に個性派ミニバンをご紹介します。私が日本で一番好きなミニバン、三菱デリカD5です。
いいですねー。他人を気にせず我が道を行くところがGOODです!三菱というネーム自体に怪しさを感じる昨今ではありますが、売れれば良いというシビアな民営経営のブロダクトと違い、お役人仕事の余裕から生まれる遊び心たっぷりカーというものありですね。
三菱デリカD:5にイケてる特別仕様車「アクティブギア」登場。なにこれ超欲しいんですけど
ミニバンに対して
日本のクルマメーカーだけに限らず家電メーカーもエンタメ業界も売れているものを真似します。真似はビジネスにとって正義です。合理的であり生き残るための手段の1つです。
たしかにこういった厚化粧?車がバンバン売れるのだから、メーカーとしてはそれで良いのかもしれません。それに私達ユーザー側にも責任があるといえます。つまり安易に流行り物を追いかけ、見栄をはることばかり考える横並びサラリーマンが多いということなのかもしれません。
しかし私はいつまでも真似する奴は嫌いです。ひとつの結果を出すために、守破離の守の部分でのモデリングとして師匠を真似するのならまだしも、仮にも世界と戦っている一流クルマメーカーであるトヨタや日産、ホンダが知恵を絞り出さずに安易な猿真似行為に走らないで欲しいと思います。
なぜならいつの時代も周りをあっと言わせる画期的なアイデアやデザイン、新しい創造物を生み出すのはオリジナリティーを重視する姿勢であり、「人と違うことをする」先にワクワクする未来が待っているからです。
少し昔のスティーブ・ジョブズ率いるAppleは周りの感性に訴えかけるプレゼンでiPhoneを売り、人々に新しいライフスタイルと喜び・気付きを与えました。そしてジョブズが最もこだわっていたのは使い勝手までを含めた完璧なまでのシンプルなユーティリティーデザインでした。
今でこそAppleは宗教じみてるところもありますが、企業体として芯を通しながらきっとまた新しいことをやってくれるでしょう。
国産車メーカーもAppleやかつてのソニーに学び新しい価値を創造していただきたいです。それを手に入れることでワクワクする未来を連想させてくれるプロダクトを私達消費者は望んでいるのですから。
今自動車界は過渡期ですから様々な技術が玉石混交で入り乱れています。私は、車はガソリンでもモーターでもミラーレスでもなんでも良いと思っています。なぜならそれぞれに新しい発見や面白さがあるからです。リスクを伴うからといっていつまでも同じところにいてはそれは退化と同じです。
たとえ作った車に欠点があろうとも車作りの信念さえあれば人々は感動します。ホンダS660が良い例です。オープンカーのくせに幌などクルクルまるめて畳まないとオープンになれない上に、幌を荷物入れにしまったら後はもう何も乗せることができない…こんな割り切り方がかえってスマートなんです。なぜなら初代ビートの走る喜びを受け継いでいるから。それだけでも十分仕事はしていますから、S660にとって後は枝葉の問題であり欠点こそ個性なのです。
ホンダs660に隠された本当のスペック、それはエモーショナルスペック
日本のクルマメーカーさんたちには激動の中を生きるからこそこれからは自由な発想で面白車を作ってもらいたいですね。
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コメント
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2017年 5月 25日
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