ホンダN-VANの新たな魅力について。発売日価格情報。仕事に遊びに使い倒せる車
ホンダはアクティバン&バモスに代わる、新たな軽商用バン&ワゴンとしてN-VANを開発しています。この新型N-VANのベースとなる車両はなんとN-BOX。これまでとは異なる、軽乗用車ベースの商用バンがついに登場する模様です。
新型N-VANがいったいどんな軽商用バンになるのか、詳しく調査してみました。
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昨今の軽商用バン事情
引用元:カーセンサー
現在の軽商用バンの主流となっているのは、スズキ・エブリイとダイハツ・ハイゼットカーゴです。ハイゼットカーゴは2017年にビッグマイナーチェンジを行い、脱商用車を目指した攻撃的なフロントマスクが話題になりました。エブリイも2015年にフルモデルチェンジをしたばかりで、今後の軽商用バンのマーケットは、ますますこれらの車種に二極化していくでしょう。
やはり小型車を得意とするメーカーが開発しているだけあって、エブリイとハイゼットカーゴの完成度は高く、多くの自動車メーカーは軽商用バンの生産をストップ。現在では、日産・マツダ・三菱の3社がエブリイのOEM車両を、トヨタ・スバルの2社がハイゼットカーゴのOEM車両を販売しています。
しかし、たった1社だけ、未だに自社で軽商用バンを開発しているメーカーがあります。ご存知、ホンダです。ホンダは1999年からアクティバンの販売を行っています。アクティバンの5ナンバー軽乗用車仕様であるバモスは、現在でも高い人気がありますね。
高い人気があるとは言っても、アクティバンとバモスは発売から19年が経過し、さすがに設計の古さが目立つようになりました。この19年でさらに熟成を重ねているエブリイやハイゼットカーゴの方が、軽商用バンとして優れていると言わざるを得ません。
来年で20周年という節目を迎えるタイミングで、アクティバンとバモスはフルモデルチェンジを行うとの噂もありましたが、残念ながらバモスは2018年春頃をめどに生産終了となることが明らかになりました。バモスのベース車両であるアクティバンも、それに続く形で生産終了になるのではないか、と騒がれています。
そうなると、軽商用バンのマーケットはエブリイとハイゼットカーゴで二分することになってしまいますね。ホンダもほかの自動車メーカーのように、エブリイかハイゼットカーゴをOEM車両として迎えるのかというと、それは違います。実はホンダが水面下で、新たな軽商用バンの開発を進めているとの情報をキャッチしました。
ホンダのFFレイアウト商用車、N-VAN
ホンダが急ピッチで開発を進めている新たな軽商用バンがN-VANです。N-VANはその名の通り、「New Next Nippon Norimono」をコンセプトとするホンダの次世代軽自動車「Nシリーズ」の第5弾(N-BOX、N-ONE、N-WGN、N-BOX/に続く)。
N-VANのベースとなるのは、2017年にフルモデルチェンジを遂げたばかりの2代目N-BOXです。商用バンは、荷室の広さが命です。商用車である以上、荷物をできるだけ多く載せることができる車が最も重宝されます。ホンダはN-VANのベースをN-BOXにすることで、N-BOX最大の特徴である車内空間の広さを活かそうと考えています。
また、商用バンに必須とは言わずとも、あると大いに役立つのがスライドドア。同じ軽商用バンのエブリイやハイゼットカーゴ、商用バンの王様とも言えるハイエースバンも、ボディの両側にスライドドアを採用しています。N-BOXにも両側スライドドアが採用されているので、N-VANのベース車両にはN-BOXがふさわしいのです。
ただし、N-VANには未だ初公開が行われていない現段階で、すでに大きな欠点が存在します。それはN-BOXをベースにしているからこそ生まれた欠点であって、同じく軽商用バンであるエブリイやハイゼットカーゴには存在しません。
エブリイやハイゼットカーゴのエンジンは、ボンネット内には搭載されていません。では、どこに搭載されているのかと言うと、ボディ中央部の床下。前席を引っぺがすとその姿を露わにします。
エンジンをボンネット内に搭載すると、当たり前ですがボンネットは長くなりますよね。ボディサイズに制限がある軽商用バンにとって、ボンネットが長くなることは、荷室が狭くなることを意味します。だから、エブリイやハイゼットカーゴはエンジンをボンネット内ではなく、車体中央の床下に搭載しているのです。
N-VANのベースとなるN-BOXは、軽商用バンと同様に車内空間を重視した軽自動車ですが、エンジンを車体中央部の床下ではなくボンネット内に搭載しています。万が一、事故が起きたときのクラッシャブルゾーンの役割、つまりは安全性を向上させるためです。また、エンジンを車内から遠ざけることで、静粛性を向上させるなどの理由もあります。
エブリイやハイゼットカーゴは軽商用バンとして最適な位置に、N-BOXは軽自家用車として最適な位置に、エンジンを搭載しているというワケです。N-BOXをベースとしている以上、N-VANはエンジンをボンネット内に搭載しなければなりません。
ボンネットの分だけ荷室は狭くなるので、エブリイやハイゼットカーゴのような積載性は実現できない、ということになります。積載性が最も重視される軽商用バンにとって、この欠点は大きな致命傷となるでしょう。
もちろん、N-BOXがベースだからこそ、ほかの軽商用バンにはない魅力がN-VANにはあります。それについては、後ほどお伝えしたいと思います。まずはN-VANの予想スペックをご覧ください。
新型N-VANのスペック(主要諸元)
全長×全幅×全高(mm) | 3,395×1,475×1,790 |
車両重量(kg) | 950 |
ホイールベース(mm) | 2,520 |
エンジン詳細(cc) | 0.6L水冷直列3気筒エンジン |
エンジン最高出力[kW(ps)/rpm]※ | 43(58)/7,300 |
エンジン最大トルク[Nm(kgm)/rpm]※ | 65(6.6)/4,800 |
モーター最高出力[kW(ps)] | –(–) |
トランスミッション | CVT |
JC08モード燃費(km/l) | 25 |
価格 | 約130万円 |
※1ps=0.736kW 1.359
※1kgm=9.807Nm 0.102
まずはN-VANのボディサイズ。ベースとなるN-BOXのボディサイズとほぼ同じですね。昨今の軽自動車は規格ギリギリまで全長と全幅を拡大し、車内空間を確保しています。全高の高さはN-BOXをはじめとするスーパーハイトワゴンの魅力ですが、これは軽商用バンとなるN-VANにも引き継がれることになります。
スーパーハイトワゴンはその大きなボディやスライドドアの採用により、車両重量が重いという欠点があります。この欠点にはN-VANも大きな影響を受けるでしょう。
ただし、N-VANは軽商用バンなので、快適装備や内外装の装飾、遮音材などの一部が排除され、N-BOXよりは軽い車両重量となることが予想できますね。ホイールベースはN-BOXの数値と同等です。
搭載するパワートレーンに関しても、N-BOXとまったく同じモノが搭載されることになります。エンジンは0.6L水冷直列3気筒エンジンで、NA(自然吸気)とターボの2種類がほぼ確実に設定されるでしょう。
NAエンジンの最高出力は58psと、軽自動車にしては比較的高出力。ターボエンジンは自主規制値の64psを達成します。どちらも最高トルクは不足ない数値ですが、荷物を積載している際に非力さは感じるかもしれませんね。
トランスミッションはCVTを採用しています。N-VANは軽商用バンですが、MTの設定はほぼないと考えて良いです。万が一、S660のMTが搭載される、なんてことになれば非常に面白い展開ですが、このご時世ですから、望みは薄いと言えます。
N-VANのJC08モード燃費は25km/L前後となるでしょう。N-BOXをベースとしていることもあり、その燃費性能はほかの軽商用バンと比べると格段に良いです。ターボグレードだと燃費は少し悪化しますが、それでも十分低燃費なので、ガソリン代でひいひい苦しむことはないと思います。
最後にN-VANの価格をお知らせします。現時点で有力な情報を元に予想するとN-VANの価格は130万円前後のスタートとなるでしょう。軽商用バンとしては高価な価格設定ですよね。エブリイやハイゼットカーゴは、MTグレードなら100万円以下で購入することができてしまいますからね。
なぜ、N-VANの価格がこんなに高いのかと言うと、N-VANは4ナンバー車両でありながら5ナンバー車両の魅力を備えているからです。これから具体的にお伝えします。
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N-VANのどんなところが魅力?
N-VANはN-BOXベースなので、N-BOXの特徴を大きく受け継いでいます。N-BOXは2017年にフルモデルチェンジしたばかりで、設計が新しいです。また、メインターゲットとなる主婦層やファミリー層が、軽自動車に求めていたことの多くを実現しています。車としての完成度も非常に高く、多くの自動車専門家から絶賛されました。
そんな車の魅力を受け継いでいるN-VANの価格設定が高くなっているのは、ある意味仕方のないことなのかもしれません。価格が高いのは残念ですが、N-VANは従来の軽商用バンとは大きく異なる自動車です。
まず、N-VANの外観。N-BOXベースなので、軽商用バンのような安っぽさはありません。内装もN-BOXよりも質感が少し劣る程度で、大きな変更点はないと予想されています。これだけでも、従来の軽商用バンとの違いは明らかです。エブリイやハイゼットカーゴよりも質感が高く、まるで5ナンバー車両のよう。
N-VANの魅力は格好だけではありません。N-BOXの全グレードに標準装備されているホンダの先進安全技術「ホンダセンシング」が、N-VANにも標準装備されることが確実視されています。商用車では重視されることのない安全性にもしっかりと配慮していますね。
最後に、N-VAN最大の目玉となる多彩なシートアレンジ。ホンダが設計・開発を行う小型車(コンパクトカーや軽自動車)は、シートアレンジが豊富で、さまざまなユーザーから高い評価を得ています。例えば、N-BOXは4つのシートアレンジを用途に応じて使い分けることができます。
それはN-VANでも採用されますが、それとは別にN-VAN独自のシートアレンジが追加されることが明らかになっているようです。N-VANで新たに採用されるシートアレンジは、運転席以外のシートを格納することで、フルフラットな空間を作り出すというもの。助手席もフラットにすることができるので、ムダなスペースは一切ありません。長尺物はもちろん、人間が寝転ぶことだって可能です。
要するにN-VANは、軽商用バンと軽乗用車の異なる魅力を併せ持った、次世代のビジネスカーだということです。もちろん、釣り、キャンプ、車中泊などのアウトドアが趣味のユーザーにも目を向けて開発が進められています。それらを考慮すれば、N-VANの価格が多少高いことにも納得ができるのではないでしょうか。
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最後に
ホンダはおそらく、N-VANを軽商用バンとスーパーハイトワゴン、どっちつかずにすることで、異なるユーザー層を獲得しようと考えています。ベースとなるN-BOXの完成度が高いこともあり、N-VANは軽商用バンとしては異例の大ヒットを記録することでしょう。
発売は今年の夏から秋にかけてと言われています。ホンダがエネルギーを注いで作り上げた第5の「Nシリーズ」の今後に注目です。
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