なんとトヨタとスズキが業務提携に入ったとの話が出てきました。つい最近までは両者とも「提携という話はない」と言ってたのに・・・。
さて、どうしてトヨタとスズキは提携することになったのか。そんなことをお話していきます。
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インドで圧倒的なシェアを誇るスズキ
まず国内軽自動車シェアナンバーワン(ダイハツとデットヒート中)のスズキですが、実は世界を見てみると新興国であるインド市場で圧倒的なシェア(およそ40%!)を持っているんですね。
インドは今経済的に乗りに乗っている国ですから、国民の車需要は膨大です。ところがあまりお金ありませんから、高級な外車などは買えないわけです。
そこであの有名なインドのタタ自動車が超低価格の乗用車を発売したという過去がありますが、あまりにも酷い作りでクレームだらけだった上に、発火したり事故に対する安全面が劣っていたりと安かろう悪かろうな車だったのです。そうして自らシェアを落としていったタタ自動車。
反対にスズキは低価格でありながらしっかりした小型車を作る技術と経験を豊富に持っています。スズキはインドに進出してからあっという間に市場を席巻し、インドではスズキというブランドは超有名ブランドです。
そんな状況を横目で見ていたトヨタ自動車。当然スズキの持っている小型車作りの低コスト生産ノウハウとインドのシェア、販売網が欲しいと思うのは当然です。
トヨタはダイハツを持っています。ではなぜダイハツだけでは足りないのか?
それはトヨタは北米マーケットではずっと強いですが、反対に新興国マーケットではVWやGM相手に意外に苦戦中(インドでのシェアは4%ほど)なのです。タイなどには積極的に販売網を拡大しているのですが。ということは北米市場がコケると王者トヨタといえども非常に苦しい展開になってしまうんですね。
新興国はこれから需要がバンバン伸びますから、今のうちから手を打って置くために巨人が動き出しました。
スズキ側としてはまず独自でやってみて、それでもだめなら他と提携するというスタンスです。相変わらずスズキさんらしいですね。VWの時もそうだったんですが、あまり大きな声では言えませんがあの話は半分あちらさんの詐欺のような話だったんでスズキさんは今回も慎重姿勢です。なんてったって株式の持ち合いも検討しているようですからね。
トヨタはダイハツとスズキを手に入れれば国内の軽自動車マーケットをほぼ総ナメできますから狙っているとは思いますが、スズキの性格からしてそんなことにはならないでしょう。
トヨタとスズキが手を組んだらどうなる?
まず我々一般消費者にとって気になるのが、トヨタとスズキが提携したら今販売されているクルマたちはどうなってしまうのかということだと思います。
トヨタはあまり変化ないと思いますが、スズキの現ラインナップに影響が出ると予想するのは容易いです。例えばスズキと言えばジムニー。考えてもみて下さい。一般的にトヨタや日産と比較して企業規模の小さいスズキやダイハツが同じ車をOEM生産で同時に発売したらどうなるかを。
恐らくトヨタ、日産といった大型企業は持ち前の大規模販売網を使ってバンバン販売攻勢に出るでしょう。そしてスズキやダイハツの車が売れなくなります。
ブーンとパッソ、ビーゴとラッシュの関係のように。そうするとジムニーが売れなくなるという可能性も否定出来ないのです。
売れない車はブランド価値も下がりますし生産規模も下がり、そのうち開発費も抑えられるという負のスパイラルに陥ります。そうなるとどうなるか?
いままで個性的で独自の魅力を持っていたスズキの車たちが平々凡々なつまらない車に成り下がってしまう危険性があるのですね。いや~それは絶対やめて頂きたい。
ぜひスズキさんには可能な限り独自体制を貫いてほしいものです。大体インド進出だって他のメーカーはみんなタイ狙っていたのにスズキだけ違う方向で、そしてタイ組はみんな例の大洪水で大被害を受ける中、一人で稼ぎ続けるという素晴らしい戦略でしたからね。
私の大好きなメーカー、スズキ。社長は交代しましたが、これからも我々一般消費者のための小さな車作りを続けてほしいものですね。
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