【最終更新日】2017/09/24

中古車の一括査定で業者を同時に呼び出すのは避けた方が良い3つの理由

愛車を売却しようとしたときに、一店一店査定してもらうために買取り店めぐりをするのは、とても忙しくて時間的余裕がない。でも妥協したくない。そのような方が最近利用される一括査定ですが、その時気を付けて頂けたいのが業者を同時に呼び出すというケースです。

なぜそれダメなのか、3つの理由があります。順番に視点を変えて説明していきます。※今回は元買取業者としての買取店側から見た複雑な心理です。

Contents

1. 査定業者から見た同時査定の可能性

ご自身が査定業者になったつもりで、ちょっと想像してみてください。さあ頑張って買取りするぞと出掛けたところに、別の査定業者さんがいました。どうしますか、どうやって一台の車を査定しますか、じゃんけんでもして順番を決めますか、後ろで同業者から見られていて、落ち着いて査定出来たらたいしたものです。

なんとか査定が終わって、さあ金額交渉どうします? 査定側が二人いるのですよ、となりの業者に聞かれないよう小声でコソコソ金額交渉するのでしょうか、それとも二人オークションでも始めますか、無理無理、絶対無理です。

同時査定はそもそも不可能なのです。

2. 査定業者の本心

査定業者は現場に於いて、初めて同時に呼び出されたことを知ります。どう思うでしょう、同業者を出し抜かなければ成約に至らないという事は、お互いにわかっています。

その時もう既に、査定業者はこの商談を完全に諦めています。上でご説明した1番目の状況がもう目に見えているので、頭にあるのはどうやって帰ろうかという事でいっぱいです。

ちょっときつい査定業者さんは

「うちは辞退します」

とさっさと帰ります。私もこのタイプですね。

まだ未練がある業者さんなら

「社に帰って検討しますので、後日金額提示をさせてください」

と切り抜けるかもしれません。

でもユーザーに対する不信感は残るので、この値段でよければ買ってもいいというような低い査定しかしないはずです。

 

よっぽど人間が出来ている人でないと、切り替えは難しいでしょうね。まして私の様な修行の足りない人物であったら、さっさと逃げ出します。

これは、同時に二人の彼氏を呼び出して、どっちが私の事好きか聞くようなもの(笑)で、たとえ二人とも彼女の事が好きでも、本音を言える状況でもないでしょうし、むしろ彼女に対する不信感が芽生えると思いませんか。

3. 呼び出したあなたの思惑

きっとあなたは、お互い競争させて買い取り価格を上げようと思われたのでしょうが、1番目と2番目の理由で、この思惑は失敗します。

貴方に出来るのは、この状況をなんとか切り抜けて、査定額を聞き出すことですが、かなり難しい問題です。

例えば、後からきた査定業者には、

「申し訳ない忙しくて今日ぐらいしか時間が取れなくて、2店舗の方に来て頂いたのですが、前の方が道に迷われたようで、かなり遅れて見えられました、もしよかったら30分ほど時間をずらしていただけませんか」

と、こんな感じでかわし、前の査定業者には、

「申し訳ない、後の方がお約束した時間よりかなり早く到着したようで」

と、言い逃れるしか無いように思えます。

でもこの時点で、あなたは、交渉するにあたり心理的にかなり不利な状況です。これを挽回することは難しく、業者の提示された査定金額を、そのまま受け入れる結果になり兼ねません。

結局、同時査定には良いことは一つもない

以上、同時査定には良いことは一つもないのです。絶対このような事が起こらないようにして下さい。

私は、この様な状況になった経験はありませんが、成りかけたことはあります。ある日いつものように、ユーザー宅に約束の時間より少し早く到着した時のことです。ユーザー宅前に車が止まっていました、すぐに同業者だと感じ、そのまま家の前を素通りして、少し離れたところに車を止め、歩いて家の近くまで行き、隅から見つからないように商談が済むのを待っていました。

同業者が帰っていくのを確かめて、おもむろにユーザー宅に赴き、道が分からなくて近くに車を止めて探していましたと、言い訳を挟みつつ査定をしたことがあります。この時、私はもちろん契約に成功し、その場で車と書類を頂くことになりました。

 

完全に出会っていたら、そうはなっていなかったでしょう。この時はたまたま私がニアミスを感じて避けたことにより、むしろこちらが有利に立てたことが成功の原因になりました。なんとか言葉を交わしながら、さきの業者の提示した大体の金額を探り当て、それと気づかれないように、こちらの金額を提示する事が出来たと思っています。

あと普通のお店はしないでしょうが、私は、買取りに行く時はアタッシュケースに必ず相応の現金を入れて行きます。それも、これ見よがしに、きれいな銀行の封筒に100万円ずつ帯付き現金をいれて行きます。封はせず、現金が覗くようにちょっと上げ底にして、アタッシュケースを開け査定表を取り出すとき、ユーザーに見えるようにしておきます。

あざといですね、でも自宅に呼び寄せるという事は、時間が取れない人に多く、納得いけば、なるべく早く済ませたいと思っているので、目の前の現金は結構効果があります。要は、どう納得させる事が出来るのかという事が一番重要で、金額はその一つの要素にすぎません。お金にこだわると、成功しても高い買取りをしたり、僅かな差で他店に持って行かれたりと良い事なんかありません。

最後テーマと少し外れてしまいました、要は絶対に業者を同時に呼び出すようなことは止めましょうというのが、今回の結論です。

【特集】はじめての車買取査定~書類準備や電話交渉、段取りの詳細AtoZ






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