「ワックス」に代わる手段として、愛車のボディーをピカピカに、そして気分をウキウキにしてくれる「コーティング」というものが世に出て久しいですが、今回はこのコーティングについて、あるいはコーティングを施した車のお手入れ方法について 少し語ってみたいと思います。
ただ、コーティングといっても、ありとあらゆるものが市場に出回っていますので、ここでは 主だったコーティング済の説明と、一般の方にたいして個人のレベルで、「こうしたほうがいいですよ」とか、「○○すると長持ちしますよ」といった話し方になると思います…、その点、ひらにご容赦ください、(;^_^A
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コーティング剤ってなに? ワックスとどう違うの?
固形、あるいは半固形の練り状でボディー表面に薄くのばして仕上げるのが「ワックス」ですが、これはいわゆる蝋(植物系のカルナバ、石油系のパラフィンなど)を溶剤とバインダー(ハンバーグでいうつなぎみたいなものです)で練りこんだものです。もちろん、自動車用に最適化してあり、固さ、作業性、伸びのよさ、仕上がり、耐久性などを考えられて造られています。
特徴として、誰もが簡単に扱える作業性のよさ、ぬるっとした、膜厚感のある独特のツヤがあります。短所としては、常に半乾きの状態であるため、ホコリなどが乗りやすく落ちにくい、
またシャンプー洗車であらかた落ちてしまう、などなどがあります。
また、いくら作業性がいいといっても、「塗ったり 伸ばしたり 拭きあげたり、といったことがめんどう」といった声も後を絶ちません。
これに対し、ワックスの作業性、耐久性などのデメリットを補うような形で出てきたのが「コーティング剤」というわけですが、以下のような特徴があります。
おおむね液状で、クロス(布のことですね)につけたり、スプレー式で直接スプレーしたりと、施工や拭きあげが非常に楽です。仕上がりは完全乾燥、もしくは硬化で、ガラスのようなキラキラとしたツヤが特徴です。多くはワックスより耐久性があり、施工後○○日、○ヵ月、あるいは○年と謳っている商品がほとんどです。
ただこれは私見なんですが、量販店などで見かける安価なコーティング剤は ツヤもほどほどで、持ちも ワックスとそんなに変わらない、といったものが多いように思います。
コーティング剤をその成分から見てみましょう!
さて そのコーティング剤ですが、大きくポリマーとガラスに分けられます。
ポリマー系はシリコーンオイルをベースに高分子ポリマー(高分子重合体)を配合して作られます。溶剤が揮発した後、このポリマーがボディーに固着して被膜を形成するのですが、
このポリマーが実は曲者でして、それこそピンキリです。ツヤと耐久性は3~6か月、おおむね価格に比例すると思っていいでしょう。
次にガラスコーティングですが、プロが使うような「純然たるガラスコーティング剤」でいいますと、これは施工後、空気と反応して 化学変化を伴う強力な硬化被膜を形成します。耐久性は1~数年といわれています。
施工自体もそれなりに難しく、塗りだした直後から硬化が始まり、拭きあげも含めて一発勝負になり、やり直しが効きません。
何より施工前の下地作り(ポリッシャーなど)で プロ並みの技術と経験、さらに設備、そして仕上がりを判断できる「眼」が必要です。実は「プロのツヤ」というのはこの「下地作り」の時点で作られているのです。
これ以外にちょっと紛らわしいですが、「ガラス系~」といったり、「ガラスコーティング」でも施工が楽で一般のユーザーに向けて安価に販売しているものは おおむね、ポリマー系と思っていいかと思います。
このあたり、「ケミカル」の難しく、ややこしく、あいまいで、素人がなかなか入っていけないところではあります。ただ、これらのコーティングを施された車両が、「○ヵ月持ちます」といわれたからといって、その間 まったく洗車しなくてもいい、ということではありません。
コーティングの目的は その下の塗装膜を守るためであって、コーティング被膜の上についた汚れを落とす機能はないからです。
では できる限り、コーティング被膜を傷つけずに汚れを落とし、いかに大事な車をピカピカに維持していくのかを、いくつかの注意点を述べながら語ってみたいと思います。
自分の車をよ~~く見てみよう!
まず、自分の車を一回りして、よ~~く見てみましょう。
どこにどんな汚れがついているのか? を知ることは、どうやって落とせばいいのか? を知るためにとても重要だからです。
- 全体にうっすらと細かいホコリがかぶっていませんか?
- 鳥のフンや、小さな虫の死がいがついていませんか?
- 水滴が乾いた跡がクレーター状、あるいはうろこ状に残っていませんか?
- ドアハンドルやパネルの継ぎ目から、スジ状に水垢が残っていませんか?
- エンブレムの隙間やウォッシャーノズルの周りが黒く汚れていませんか?
- ホイールハウスの前後、あるいはバンパーの下に泥はねや ピッチ(油汚れ)などがついていませんか?
これらの汚れがコーティングの上についている汚れであれば、それは通常のシャンプー洗車で落とすことができます。でも、だからといって、長い間放置するのはよくありません。長い間のうちに酸化して、汚れと同化し下地を犯します。
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コーティング車の洗車の実際
仮にあなたの車が、前回コーティングの施工をして、1ヵ月後に洗うことになったとしましょう。この車を例にして、実際の洗車のようすを見ていくことにします。
まず水だけでホコリをながそう
まず、ホースで車に水をかけます。
ホースの先をつぶして勢いを作り、隅から隅まで念入りに水の勢いだけで洗い流します。
もし、家庭用の高圧洗浄機をお持であれば、ぜひ使ってください通常の車であれば、30センチ程度の距離からパネルにたいして直角にあてても問題ありません。これは、ただ単に車を濡らすためだけではありません。
第一に、コーティングの上に乗った細かなホコリを洗い流すためです。空気中の微粒子にはいろんなものがありますが、その中には 排ガスや、工場などの排煙も含まれます。この中には、高温に晒されながら燃え残ったもの、炭化ケイ素など非常に硬いものが数多くあります。
第二に、泥汚れ、鳥のフンや虫の死がいなどをふやかせるためです。
シャンプー液をつくろう
一通り車を濡らしたら、今度はシャンプーを作って ざっと洗ってみましょう。
シャンプーは普通の洗車用シャンプーでいいかと思います。ただ、水垢落としや、撥水、ワックス成分など、余分な効能を謳っていないものがいいです。研磨剤やシリコーンオイルなどが入っていると、汚れが落ちたかどうかもわからず、またかえってキズをつける結果になる場合もあります。食器洗い用の中性洗剤でもかまいません。
バケツにキャップ一杯のシャンプーを入れたら、その上から勢いよく水を入れ 泡立てます。
洗車用のスポンジをバケツの中で揉み込んで、さらに泡を細かくするのもいいでしょう。
バケツ一杯の水にシャンプーがキャップ一杯 が基準ですが、この時、泡の状態で洗剤の濃度を加減します。おおむね薄めでいいかと思いますが、細かな泡が出て洗車が楽にでき、すすぎの時に泡切れのいいポイントというものがあります。この辺は、体で覚えていきましょう。
全体をざっと洗い、次に細かいところを丁寧に責める
そしてざっと洗います。本当にざっとでいいです。洗う順番とか、適当でいいです。
軽くすすいだら、今度は細かな部分を見ていきます。そうそう、これ以降は、ボディーが乾かないように 時々水をかけてあげてください。中途半端に洗剤分が残った水が乾くと、シミなどの原因になります。
ドアハンドルやエンブレム、ウォッシャーノズルの周りなどを洗っていきます。ブラシなどもいいですが、私がお勧めするのは、100円ショップなどで売っている粘土用の木べらと、マイクロファイバークロスの組み合わせです。専用のものを一そろい用意しておくとよいでしょう。
シャンプー液をつけながら、ほどほどの力加減で洗ってあげましょう。
それが終われば次は、膝より下、ホイール周りやバンパー周辺の泥はねが、そろそろふやけてきたころです。スポンジや先ほどのクロスなどを使って、水を多めに使いながら洗い流します。
どうしても落ちない、ピッチなどの油汚れは、洗車コーナーで売っている「マルチクリーナー」の類を使います。弱アルカリのややきつめの洗剤ですが、一本あると便利です。
ここまで終わったら一度バケツをカラにして、スポンジなどを一通り洗いましょう。バケツの中には洗車中に拾ってきた細かなホコリがたくさんあるからです。
最後にもう一度、今度は丁寧に
新しいシャンプー液を作ったら、最後に全体をもう一度、今度は丁寧に洗います。ルーフの隅、パネルの継ぎ目から順を追って、丁寧に丁寧に洗っていきます。スポンジを強く押し付けてゴシゴシ、というのはよくありませんが、ほどほどの力加減が必要です。
上から順に、一通り下まで洗ったら、たっぷりの水で充分にすすぎます。
拭きあげはマイクロファイバークロスで
次は拭きあげです。
量販店にバスタオルくらいの大きさのマイクロファイバークロスが売っていますので、これでいいでしょう。吸水力があり、糸くずも出にくく、キズがつかず、使い勝手がいいです。
こすって拭きあげるのではなく、パネルの上に風呂敷を広げるような感じでおいて、端っこをす~っと引っ張ってあげます。水切れが悪くなったら一度しぼって、同じ動作を繰り返します。
ここまでで、一通りの「洗い」が終了です。大変おつかれさまでした、(;^_^A 「洗い」がすんだら、今度はようやく、「コーティングのメンテナンス」です。
コーティングのメンテナンス
ここでもう一度、改めてご自分の車を一回りして ゆっくり眺めてみましょう。
- エンブレムなど、細かなところはきちんと洗えてますか?
- 泥はねなど、しつこい汚れは落ちていますか?
- ツヤの引けているところはありませんか?
- 全体の雰囲気はいかがですか?
仮にこの車のコーティングが、「6ヵ月持つ」とします。今回の洗車が1ヶ月目だとしたら、あたりまえですが、改めて初めから塗りなおす必要はありません。
さっき洗ったところで、汚れが気になったところはありますか?
その汚れを落とすために強くこすったり、マルチクリーナーを使ったところはありますか?
そこは一ヵ月後には、同じように汚れていると予想できます。パネルのつなぎ目などを利用して、キリのいいところまで、同じコーティング剤、もしくはメンテナンス剤を塗ってあげましょう。コーティングの被膜がしっかりすれば、一ヵ月後の同じ汚れは、今回よりも落としやすくなっています。
ついでですから、日が当たり、傷みやすいボンネットも塗ってあげましょう。前回より、落ち着いた、しっかりとしたツヤになっているはずです。これでようやく、コーティングを施した車の洗車とメンテナンスが終わりました。
大変おつかれさまでした、(^_^)/
ローテーションを組んで一回りする
次の月にはルーフのコーティングをメンテナンスしてあげましょう。
その次は、運転席側のサイドパネル、その次は…、という風に、6ヵ月で一回りするようにスケジュールを組み立ててやります。このサイクルが一回りするころにはおそらく、
- 自分の車のどこが汚れやすいか?
- どこのどんな汚れが落としやすいか?
- あるいは落としにくいか?
- どこのコーティングが傷みやすいか?
などなど、ご自分の車のボディーパネルの状態が 手に取るようにわかるようになると思います。
さらに横や斜めから透かすように覗いて、コーティングのムラなどがわかるようになれば、しめたものです。ここまでくればあとはもう、応用です。さじ加減など、ご自分で判断できるようになると思います。
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まとめ
ここまで、コーティングの種類や、コーティングを施工した車両の洗車方法、あるいはメンテナンスについて、かいつまんで説明してきましたが、いかがでしたか?
「思ったより大変そう…」
そうかもしれません。
でも、自動車っていうのは、そういった細かいところを丁寧に丁寧に仕上げて初めて、全体が輝いてくる部分があると思います。
あと、コーティング剤はプロが施工して、その管理の元にメンテナンス剤などを供給している場合があります。もちろん、そういう時は、その方の説明なり、提案に耳を傾けることが大切です。
そうそう、今回はボディーパネルのコーティング剤について記事の多くを割きましたが、例えば、バンパーやタイヤなど、無塗装の樹脂部分に施工するケミカルもあります。細部の「黒」が決まれば、ボディーも際立って、全体がシャキッと引き締まる印象になります。
因みにずぼらな私は普段自分の車のコーティングに信頼と実績のワコーズの商品を使っています。これは洗車後に水なしで手間の掛からない便利なポリマーコーティング剤です。
以前よりも圧倒的に早く作業を終えることができるようになったことに加え、白くくすんだ樹脂部分もヘッドライトもピッカピカにすることができます。特に樹脂部分は黒が映えるようになるので車からバイクまで色々と重宝しています(笑)。多くの個人ドライバーや業者の方達に愛されAmazonベストセラー1位をずっと死守していますから、ずっと廃盤になることもありませんので安心して使っています。
最後に、自動車の洗車やコーティングのメンテナンスは大変といえば大変ですが、
逆をいえば オーナーさんの特権ともいえます。せっかくですから、ご家族やお友達と楽しみながらやってみてはいかがでしょうか?
例えば奥さんの車をきれいにしてあげれば、ご主人の株もあがるでしょうし、お子さんたちとワイワイいいながらやって、午後はドライブっていうのもいいかもしれません。
ぜひ、楽しみながらやってみてください、(^_^)/
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