【最終更新日】2018/01/22

軽自動車「遅い車ランキング」発表!鈍重亀車の頂点に立ったのは…

日本独自の規格である軽自動車。利便性が高く、維持費も安く、さらには道が狭い日本でも小回りが利くと、非常に優秀な乗り物で、老若男女から高い評価を集めています。

そんな軽自動車ですが、人によってはパワーがないと不満もあるようです。今回は、現在販売されている軽自動車の中でも、特に遅い車ランキングを紹介したいと思います。


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そもそも軽自動車の定義って?

軽自動車は日本の自動車の中で、最も小さな規格に当てはまるものを指します。法的には125cc以上250cc以下の二輪車も当てはまりますが、一般的に軽自動車と扱われているのは排気量660cc以下の三輪車、もしくは四輪車です。

排気量以外にも、軽自動車には様々な条件が定められています。具体的には、ボディサイズや乗車定員、積載量などです。この条件をひとつでも超えてしまうと、5ナンバー車両(小型乗用車)として登録されることになります。

また、これはメーカー間の取り決めとされていて、法的に定められているわけではありませんが、馬力自主規制なるものが存在します。ボディの小さい軽自動車でパワフルなエンジンを搭載すると、衝突安全性を十分に確保することができず、乗員が危険に晒される可能性があるからです。

軽自動車は馬力自主規制値が64馬力となっていて、例外はありますが、基本的に64馬力を超える車種の販売は行われていません。

以前は庶民の足として普通乗用車の代わりに購入されていた軽自動車ですが、交通網の発達や税金面での優遇措置など、様々なメリットのおかげで、現在は普通車を脅かす販売台数となりました。

ひと昔前までのチープな軽自動車とは打って変わって、居住性を重視した快適な軽自動車や、高級感をウリにした軽自動車が続々登場しています。

技術の向上により、衝突安全性も以前とは比べ物にならないほどに向上しましたが、残念ながら軽自動車規格自体は当時のままで、馬力自主規制も撤廃されていません。

そのため、軽自動車が現在どのように進化を遂げているのかというと、居住性を確保するためボディサイズを規格ギリギリまで拡大、高級感を演出するために質感の向上や先進的な装備を積極採用、そのおかげで車両重量は重くなっています。車が肥大化しても、馬力の自主規制は撤廃されることがないため、加速力のない鈍重な車たちがどんどん販売されているわけです。

衝突安全性の向上や快適装備の採用などは、実際悪いものではありません。むしろ一般的な人達からは歓迎されているでしょう。しかし、我々車好きにとっては複雑です。

そこで、今回はその鈍重な軽自動車たちを集めて、ランキングを作ってみました。あなたが頭に浮かべているあの軽自動車は、ランキングに入っているのでしょうか?

今回紹介する車は、現在販売されている軽乗用車から選考しています。ですから軽バンや軽トラ、福祉車両などは除いています。

さらに、同一車両でも様々なグレードがありますよね。今回は公平性を保つために、ベースグレードのみをチョイスしています。車両オプションは全く考慮していませんし、グレードが低いので過給機を搭載している車両はなしです。(笑)

過給機に頼らず、エンジンのみでその鈍重なボディを走らせてもらいたいと思いますが、今回は順位をつけるにあたって、パワーウェイトレシオの低い車から順に紹介したいと思います。

パワーウェイトレシオとは、簡単に言うと車の速さを数値として表したもの。基本的には数字が小さいほど速く、数字が大きいほど遅い。ただし、あくまで指標であって、絶対的なものではないので、参考程度に考えた方が良い。

第5位 スズキ・スペーシアカスタムZ

まずはスズキがランクイン。

スズキは2014年から運動性能と燃費を向上させる目的で、全車種をフルモデルチェンジ毎に徹底的に軽量化しています。そのおかげで、2014年以降に発売したアルトやラパンは車両重量700kgを切っているのですが、スペーシアの発売は2013年。

スペーシアカスタムZの発売は最近ですが、ベース車両のスペーシアが軽量化対策を施した車ではないため、第5位となりました。

スペーシアカスタムZの最大出力は52馬力です。軽自動車のNAエンジンとしては必要十分なパワーですが、車両重量が870kgなので非力さは否めません。パワーウェイトレシオは16.73kg/psと高いですが、これでもランクインしている軽自動車の中では、ダントツで低い方なのですから驚きを隠せません。

車両重量が重たい原因としては、充実した安全装備の数々と、スライドドアなどの快適装備。快適な居住空間を確保した結果、ボディサイズが拡大してしまったことが最大の要因です。

スーパーハイトワゴンと言うと、代表的な軽自動車はN-BOXやタントカスタムが挙げられますよね。スペーシアカスタムZは、他社のスーパーハイトワゴンと比べるとエクステリア、インテリア共に一歩劣っていると言わざるを得ません。

スペーシアの発売から、既に4年が経過しているので、フルモデルチェンジによる巻き返しを期待したいですね。

第4位 ダイハツ・ムーヴキャンバス

お次はダイハツから、ムーヴキャンバスです。今回ランクインした軽自動車の中では、最も異色な車。

主に女性をターゲットに設計・開発を行っているため、居住空間を損なわない程度に全高を拭くく設定し、デザイン性と機能性を両立した車です。今回ランクインしている軽自動車の中では、デザイン性を最も重視しているのではないでしょうか。

噂によると、ムーヴキャンバスの可愛らしいエクステリアはフォルクスワーゲンのタイプII(ワーゲンバス)を意識しているのだとか。たしかにバスっぽい気はしますが、タイプIIっぽいかと言われるとそうでもないような。(笑)

今回ランクインしている軽自動車とは異なるデメリットを挙げるとするならば、唯一ターボ車の設定がないこと。

ムーヴキャンパスより遅い車があと3台控えていますが、残りの3台は上級グレードにターボの設定があるので、少しでも速い車に乗りたいと思えば、ターボ付きのグレードを選択することが可能となるんです。

今回はベースグレードで選考しているため、第4位となりましたが、上級グレードで選考していれば第1位はムーヴキャンバスだったのかもしれませんね。

そんなムーヴキャンバスの気になるエンジンパワーは52馬力。車両重量はなんと910kgです。第4位にして、既に900kgの大台に突入しましたが、このあとはどうなるんでしょうね。

それは後ほどお話しするとして、お先にムーヴキャンバスのパワーウェイトレシオを紹介しましょう。車両重量910kgと52馬力のエンジンパワーから導き出される数値は、17.50kg/psです。

第5位のスペーシアカスタムZから大幅に高い数値となりました。これほどまでに重たい要因は、スペーシアカスタムZと同様です。

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第3位 ダイハツ・タントカスタム

記念すべき第3位はタントカスタムです。記念すべきなのが、良い意味なのか悪い意味なのかひとまず置いておきましょう。

連続ランクインとなったダイハツ車。ダイハツはスズキより軽量化が苦手なようですが、その居住性や快適性には定評があります。

そんなダイハツの軽フラッグシップとも言えるタントカスタム。その価格はベースグレードでも150万円を超えると言うのですから、驚きです。軽自動車らしからぬ迫力のフロントフェイスと、軽トップクラスの居住性・快適性はすごいと言わざるを得ません。

また、センターピラーレスとスライドドアを組み合わせたミラクルオープンドアも非常に好評です。

これだけの魅力を備えているのですから、タントカスタムがダイハツの売れ筋モデルとなるのも理解できます。ただ、これだけの魅力と速さの両立は残念ながら難しいようです。

タントカスタムはムーヴキャンバスと共通のエンジンなので、エンジンパワーも同様の52馬力。車両重量は940kgと非常に重く、パワーウェイトレシオは18.07kg/psです。

ムーヴキャンバスからさらに上昇したパワーウェイトレシオ。こんな数値の車が現行車にあるとは、思いもしませんでした(笑)。

しかし、タントカスタムのパワーウェイトレシオを持ってしても第3位。上位2車種はどのような数値になるのか注目です!

第2位 ダイハツ・ウェイク

個人的にNo.1だと思っていた車が、なんと第2位にランクインしました。重量級軽自動車と言えば、なんといってもコイツですよね。

「ウェイクだよ!」のCMで話題となった、ウェイクが第2位となると、第1位は何なのか非常に気になるところですが、その前にウェイクの遅さをチェックしていきましょう。

ウェイクはダイハツのスーパーハイトワゴン、タントをベースに開発された軽自動車です。こちらも、非常に背の高い車です。ヘッドライトの装飾さえなければ、商用車のような佇まいです。(のちにヘッドライトを簡素化したウェイクの商用車モデルが発売されたのは笑うところ)

ウェイクの商用車、ハイゼットキャディー

ウェイクの魅力は、軽自動車規格に縛られながらも実現した圧倒的な居住空間です。室内の広さに関しては、タントに勝り、毎日のお買い物から旅行、アウトドアまで様々な用途に対応できるよう設計されています。

ボディの剛性を極限まで高めたことで、非常に高い全高でありながらも安定性をしっかりと確保。スタビライザーなども装備されているため、背が高い割にはロールを抑えることもできています。

正に部屋のような軽自動車となったことで、その分重量も増加。

車両重量はタントカスタムの940kgを大幅に超える、990kgとなっています。この重さはハッキリ言ってとんでもないです。

スズキのコンパクトカーである新型スイフトなんて840kgですからね。これはスズキの軽量化技術が凄すぎるとしても、ウェイクの990kgは普通のコンパクトカーと同等の車重並みです。

新型にフルモデルチェンジをするときは、ぜひともダイエットしてほしいと思います。

続いてウェイクのエンジンパワーですが、ムーヴキャンバス、タントカスタムと同様の52馬力です。ダイハツの軽自動車はエンジンの共通化が進んでいるみたいですが、ウェイクに52馬力のエンジンで大丈夫なの?と思わなくもありません。

さて、お待たせしました。ウェイクのパワーと車重を紹介したので、それを元にウェイクのパワーウェイトレシオを計算していきます。

気になるウェイクのパワーウェイトレシオは、なんと19.04kg/psです。

未だかつてパワーウェイトレシオが19を超えるものを見たことはありません。ちなみに最上級グレードのウェイクはパワーウェイトレシオが20.00kg/psにもなるようですよ。

そして、ついにNo.1を発表するときが訪れました。軽自動車遅い車ランキング第1位は、こちらの車です!

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第1位・・・

現行軽自動車で最も遅い車を決めるランキング、栄光の第1位に輝いたのは…

「三菱・ekスペースカスタム」です。

日産ではデイズルークスという名称で販売されているスーパーハイトワゴン。

一見、ウェイクより重そうには見えませんよね。そう、実際にekスペースカスタムの車両重量はウェイクより軽い950kgです。

それでも重量級ではありますが。今回順位を決める指標となったのはパワーウェイトレシオ。パワーウェイトレシオは車両重量と馬力を用いて計算します。

ここまでお話しするとお分かりかと思いますが、ekスペースカスタムはエンジンパワーでウェイクに劣っているのです。ekスペースカスタムの鈍重なボディを引っ張るのはわずか49馬力のNAエンジン。導き出されるパワーウェイトレシオは、ウェイクを少し上回る19.38kg/psです。

ということで、遅い軽自動車ランキング第1位は、ウェイクの次に重く、その他のスーパーハイトワゴンに馬力で劣るekスペースカスタムに決まりました。

今回はこのような結果となりましたが、速さが車の良し悪しを決めるのではありません。ekスペースは少なくとも速いとは言えない軽自動車ですが、それを補って有り余る居住性と快適性を兼ね備えています。

それはデイズルークスとして好調な販売台数を記録していることから、充分わかると思います。上級グレードを選択すれば、パワーのあるターボ車に乗ることも可能です。

人気のデイズルークス

150万円を超える価格は、決して安い軽自動車だとは言えませんが、同価格帯であるタントカスタムにも負けない安全装備・快適装備の数々、迫力のあるフロントフェイスを採用し、魅力のある軽自動車に仕上がっています。

ところで、N-BOXのパワーウェイトレシオは?

スーパーハイトワゴンの代表的ポジションである、ホンダ・N-BOXが今回のランキングでは予選落ちとなってしまいました。

その理由は、スーパーハイトワゴンでありながら意外に軽いし、NAエンジンでもパワーがあるからなんです。

N-BOXは2代目へフルモデルチェンジを行い、さらなる進化を遂げています。先代モデルの居住性・快適性はそのままに、今度は動力性能に力を入れて開発されたのです。

その軽自動車としての完成度の高さに、自動車評論家の多くは絶賛しています。詳しい話はまたの機会にするとして、今回はN-BOXのパワーウェイトレシオを計算してみました。

まず、N-BOXの車両重量は890kgで、エンジンパワーが58馬力となっています。意外にも軽量でパワフルですよね。

パワーウェイトレシオは15.34kg/psと普通にランク外なんです。(笑)

さらに、N-BOXカスタムのパワーウェイトレシオも15.52kg/psと大差ありません。

2ドア・ターボでも、意外と重くて遅いジムニー

スズキには、生きる伝説なる素晴らしい軽自動車があります。その名もジムニー。悪路走破性を追求したオフロード車です。

現在、普通乗用車の中ではクロスオーバーSUVが世界中で流行していますが、ジムニーはクロスオーバーSUVのような、なんちゃってオフロードではありません。

トヨタの最強クロカン車、ランドクルーザーと同様に素晴らしい悪路走破性を備えた軽自動車なのです。

ジムニーは軽自動車にありがちな4ドアではなく2ドアです。さらにベースグレードですらターボチャージャーを標準装備と、割と速そうな車のようにも感じます。

でも実際は、車両重量980kg、エンジンパワーは64馬力で、パワーウェイトレシオは15.31kg/psと、N-BOXと大差ないレベルなんですね。実際に走らせると、N-BOXの方が速い可能性も十分にあります。

これには訳がありまして、まず、パートタイム4WDを標準装備しているということ。これにより、2WDの車よりは車両重量が増加してしまいます。そもそもジムニーには2WDの設定がないのですけどね。

さらに、ジムニーのギヤ比はローギヤード。悪路走破性を高めるために、低速域で力が伝わるような工夫がなされています。そのため、ジムニーは加速、すなわち速く走行することが苦手なんですね。

余談ですが、いかがだったでしょうか?

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まとめ

過給機なしのベースグレードではこのような結果となりましたが、過給機もOKにすると、最も遅い軽自動車はおそらくターボ車の設定がないムーヴキャンバスです。

最も重い車だと、ウェイクになりますし、条件次第で順位は変わります。

今回のランキングに登場している軽自動車は全て、居住性を重視した車です。居住性を重視すれば重くなってしまいますから、ある意味、遅いのは当たり前ですよね。遅い車だから悪いと言うことはなく、何かを重視すれば何かを犠牲にする必要があります。

車の購入を考えているのであれば、自分の中で譲れない部分、妥協できる部分をしっかりと考えて、自分にとってベストな車選びを行いましょう!





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