トラックメーカーのイメージが強いいすゞ。しかし、かつていすゞはオールラインナップを誇る自動車メーカーでした。
いすゞが乗用車を製造してたこと自体がいまや知らない人もいるのかもしれない時代ですが、この昭和の名車いすゞ117クーペについてお話します。
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いすゞ117クーペとは?
1968年は日本の乗用車生産台数が増加し、遂にトラックの生産台数を追い抜いた記念すべき年で、日本に本格的なマイカー時代の到来を予感させました。同じくこの1968年はいすゞ自動車にとっても記念すべき年でもありました。
自動車デザイン史に大きな足跡を残し、今もいすゞの車づくりにその命脈が息づく、イタリア・ギア社のジウジアーロのデザインによる名車117クーペがデビューした年です。一見すると当時の日本車にはないようなスタイルはどことなく欧州車なのかと思わせるようなデザインで、まさに「個性化の時代」がここに始まったといえるでしょう。
1966年3月、117クーペはスイスのジュネーブショーで発表され、同国の自動車イベントであるコンクール・ド・エレガンスで優勝。さらに同じ年、日本の東京モーターショ ーでも賞賛を浴びるなどの快挙を成し遂げました。エンジンはDOHC1600cc、120馬力、最高速200km/h。1969年には「いすゞは無個性な車はつくらない」と非常に印象的なキャッチフレーズの広告が展開されました。
この117クーペは約13年ほど製造販売されていて大きく分けると3期間に分けられます。初期の段階では、マニアから「ハンドメイド・モデル」「ハンドメイド117」と呼称されていてボディパネルの成形など製造工程の大部分を手作業で行なわれていました。そのため、生産台数は月間で30~50台、3年間で2,458台しか作られませんでした。
インテリアは、上質な発泡レザートリムやウッドパネルを使用した非常に豪華な造りになっており、エンジンは1,600ccのガソリンエンジンと、国産クーペ初となる1,950ccのディーゼルエンジンを用意していました。
1970年には、日本で初めて電子制御燃料噴射装置を搭載した1,800ccのガソリンエンジンを追加しました。その後、1971年にGM(ゼネラルモーターズ)と提携したいすゞは、GMの資金と技術を元に117クーペの量産体制を整えました。1977年のマイナーチェンジではさまざまなコストダウンを行いましたが、その一方でパワーステアリングを採用したりサスペンションの改良をするなどの快適性能や乗り心地の変更などが行われました。
いすゞ117クーペの外観
エレガントなデザインといわれることが多いこのいすゞ117クーペですが、デザインした人物はジョルジェット・ジウジアーロ氏。その経歴は疑う余地なく20世紀を代表する偉大な自動車デザイナーです。
映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』でお馴染みの大人気「デロリアン DMC-12」から歴史に名を残す名車である初代フォルクスワーゲン「ゴルフ」まで、数えきれないほど多くのクルマをデザインしてきた人物。どうりで日本車というより欧州車っぽいのはそういうことなのかもしれません。
関係ないですが、私は初代ゴルフのデザインが大好物です。ザ・ドイツ車という感じでカクカクのボディー造形がたまらないですよね。現代の車であんなデザインで出してくれないかなーといつも思ってています
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117クーペの中古車事情とレストア事情
中古車販売業者のサイトなどで検索してみると20台前後の車がヒットします。価格も100万前後といったところでしょうか。価格的にはだいぶ買いやすいように感じるかもしれませんが、どうもこの117クーペはほかの旧車と比べるとレストアなどの情報が少ないように感じますね。
しかし、車の玉数はそこそこにあるので自分で気長にレストアを楽しむって人である程度の知識がある人であれば以外に楽しめるのかもしれません。またいすゞ117クーペのファンクラブも存在するようで、これは嬉しいですね。さらにこのファンクラブは117クーペを所有してなくても入れるみたいです。太っ腹です!
やはりレストアする場合情報が集められるということとパーツが手に入りやすいという2点はとても重要だと思いますので、このようなファンクラブがあるというのはレストアする人にはありがたいというか、心強いですね。
いすゞといえばトラックと思っているそこのあなた。いすゞにはこんな昭和の名車を作っていた歴史があったんです。しかもなんかおしゃれでかっこいいですよね。レストアされた車両は少ないかもしれませんが気長にレストアしてみようと思っている人ならファンクラブに入って情報収集しながらレストアしてみるのもいいですね。
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