2015年のマクラーレンホンダの成績は、およそ7年ぶりとなる世界一のモータースポーツF1に復帰したホンダに期待していたファンたちを正直ガッカリさせるものでした。
ホンダにとって4度目となるF1参戦。本田宗一郎氏の熱い思いを受け継ぎ、自動車会社として世界一のレースで活躍することはこれ即ち使命と硬い決意を固めたホンダですから、そう簡単には転びません。
今回は2015年シーズンのホンダの成績が振るわなかった5つの理由を挙げていきたいと思います。
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全てはあの栄光を取り戻すため・・・
ホンダは過去3度F1に参戦し、今回は4度目となります。
過去のホンダで最も華々しかったのは2度めの参戦となる1983年~1992年の期間です。現在のタッグと同じ相手であるマクラーレンと組んだホンダは、マクラーレンホンダとしてドライバーに伝説の英雄、アイルトン・セナを抜擢。グランプリ44勝をあげ、特に88年はチームメイトであるアラン・プロストの活躍も合わせて16レース中なんと15勝という伝説を作りました。
あの時のホンダをもう一度見たい・・・そう願うのはホンダ陣営だけではないはず。あなたも私もホンダが表彰台の頂点に立つ日をずっと待っているのです。
ところが2015年はマクラーレンホンダはチームとしては惨敗に終わりました。
期待とは裏腹に敗北に繋がった5つの理由を列挙します。
マクラーレンホンダが遅かった5つの理由
それではホンダ遅し!の5つのポイントです。
- 参戦初年度だったためデータを十分に取れなかったため熟成できなかった。
- ホンダの目指している理想・科された使命のレベルが高すぎた。
- マクラーレンのシャーシがポテンシャルを発揮できなかった。
- 自由にエンジン開発できない現在のレギュレーション
- 国の問題によりF1の組織として機能しにくかった。
これらをまとめて解説していきます。
1、参戦初年度だったためデータを十分に取れなかったため熟成できなかった。
F1は戦ったシーズンで集まったデータを次のシーズンに生かします。それが強いマシン作りの最も大切なポイントなのですが、ホンダは2014年から参加したため十分なレースデータが集まっていなかったといえます。
2、ホンダの目指している理想・使命のレベルが高すぎた。
マクラーレンホンダはサイズゼロと呼ばれる最もスリムでコンパクトなシャーシを採用しています。これはメリットとして空力面で他のチームよりも有利になるのですが当然デメリットもあります。
それはエンジンや回生システムなどのかたまり(パワーユニット)のスペースが圧迫され、エンジンサプライヤー側に非常にハイレベルなパッケージングを要求されるという面があります。
「やれるか?」と聞かれたら「やってやる!」と答える企業風土のホンダですから、とうぜんマクラーレンとの初期の調整でそんな駆け引きがあったんだと思います。技術者魂ですね。とても理想の高い企業でないとこうはいきません。
3、マクラーレンのシャーシがポテンシャルを発揮できなかった。
ホンダは昔から「エンジン1流シャーシ3流」といわれています。もちろんこれは超極限の状態を競い合うF1という特殊な環境下での評価ですが、ホンダが勝つには自社開発したシャーシを使うよりも得意なパートナーに任せたほうが良いということは歴史が証明しています。
だからマクラーレンにシャーシの設計開発を任せたホンダでしたが、マクラーレンのサイズゼロの壁→難易度の高いパワーユニットの開発→開発難航でお互い思うようにレーステストできなかったという悪循環に陥ってしまいました。
4、自由にエンジン開発できない現在のレギュレーション
現代のF1に定められているホモロゲーションというシステムにより自由にエンジン開発ができないというジレンマがあります。
各チーム与えられた枠内で開発を進めますが、大きく方向修正できないというルールなので難しいて新しい技術に思いっきりチャレンジできないといったマイナス要素があるのです。
2016F1ホンダエンジンはまたしても遅いのか?2015年製と比較
5、国の問題によりF1の組織として機能しにくかった。
国境の壁は大いにあります。F1はエンジンサプライヤー、シャーシ設計、ドライバーの他に研究機関、スポンサー、その他大勢のサポーター等チーム全体で戦っていくものです。
かつてアジア代表であるホンダがF1で常勝状態だったときに、ホンダだけに不利になるよう意図的にレギュレーションが変更されたりといったことがありました。
アメリカと違いヨーロッパでは人種による壁は未だに健在で、東洋の人間が覇権を握ることを快く思わない者が多いのも事実です。
いくらホンダが資金豊富といっても海外で単独日本ベースの企業がヨーロッパの名門チームたちと戦うのは言語や文化、習慣、価値観を乗り越えていかないといけないわけですから、その苦労は想像を絶するレベルのものです。
※ただ、今期は超大型スポンサーがマクラーレンホンダに付きましたので資金面は万全の態勢といえます。
マクラーレンホンダの2016年スポンサーがモエ・エ・シャンドンだって?
2015年のホンダ敗因のまとめ
このように様々な複合的な理由からホンダは苦境に立たされたわけですね。ただ、問題の原因が分かっているので80%は解決したも同然です。そして私たちは知っています。ホンダが必ず這い上がることを。
ホンダの第3期F1チャレンジもそうでしたが、今回4度目のF1チャレンジも日本のメーカーが海外で戦っているというだけで日本人の私としてはとても見応えがあります。
今期はより戦闘力を高めたニューマシンで、世界の強豪メーカーたちと繰り広げるデッドヒートを見ることができるでしょう。期待しましょう。
追記 特集記事を追加しました
2016年は面白くなる!F1マクラーレンホンダ特集です。
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