人体へ深刻なダメージを与えるPM2.5。
中国大陸では国民の自動車保有率がここ10年で10倍以上も上がり、今ではあらゆる乗り物を足したドライバー総数は2億人突破、世界一ドライバーが多い国となりました。車保有率でも米国に次ぐ世界第2位です。
しかし、日本ではしきりにニュースでPM2.5飛散注意報が流れ、海を挟んだ向こうの世界とはいえ無視できない存在になってきました。
それなのに日本はあくまで低姿勢。中国から飛んで来るPM2.5に対して、実質スルー状態です。
なぜこんなに低姿勢で強気の大概交渉ができないのでしょうか。その原因を探ります。
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中国に強気に出れない日本政府の本当の理由
西日本を中心にPM2.5の警告をはじめ黄砂や漂流物が中国より届けられ、近年、私達日本人は中国に対してあまり良い印象を持っていません。
度々国の基準(環境省による)となる1立方メートル当たり平均70マイクログラム(35マイクログラム以下が健康維持に望ましいとされる)を超える汚染が確認され、子どもや高齢者はもちろん健康な人も外出や運動などを控えるよう言われているのだから、おちおちドライブを楽しむこともできません。
そんな状況だというのに日本はあまり中国に注意喚起を施さない状態です。なぜでしょうか。それにはいくつかの理由があります。代表的なのは下記2点です。
①中国による様々な環境汚染は、かつて日本やヨーロッパ、アメリカもやってきたことだから。
②そもそもPM2.5の発生原因は中国だけではないから。
1つづつご説明します。
中国の環境汚染は日米英がやってきたことだった。
中国側はかつて私達日本人も、環境を破壊しつつ今日の繁栄を手に入れたのだとする主張しています。確かにそうですね。私達の住む日本も、かつては水俣病や四日市ぜんそく、イタイイタイ病など数々の公害による深刻な健康被害がありましたね。
アメリカでもかつて1970年台、製鉄所などの煤煙が問題となりました。
ヨーロッパでも産業革命によって、数え切れない人が工業化の流れに巻き込まれ、尊い命が犠牲になった過去の歴史は消えません。
ただ、今現時点で中国の一般市民は苦しんでいるわけです。一般市民ですから、私達と何ら変わりありません。今は環境技術も昔とは比べものにならないぐらい発達しているのですから、それを生かして欲しいと願うのは世界の人の共通認識でしょう。
ただ、私達先進国にすむ国民には想像もつかないほど中国の内地は貧富の差が進んでいます。今日食べるものもなく、明日生きていけるか分からない・・・そんな状況ですから、藁をも掴む思いで工場を稼働させるのです。自分が生きるか死ぬかと言う瀬戸際で、果たして人間はどこまで環境のことを考えられるでしょうか。
そういう意味で、中国側が開き直るのも無理は無いと言えるでしょう。
そして無理を効かせた高度経済成長により、今では中国は自動車大国になりました。PM2.5などの大気汚染は中国の自動車だけが原因ではないのですが、一国の産業の中心にある車産業が与える影響は計り知れないものがあります。
また、彼らには大気汚染を引き起こしたのは外資系資本だから自分たちは関係ないという考えも一部であるようですね。
pm2.5の原因となる中国の車。少しは日本車を見習って欲しい
世界には北京など比較にならない酷いPM2.5発生地域があった!
もう一つ、日本があまり中国にPM2.5のことで強く言えない理由として、「中国は必ずしもPM2.5発生原因の主犯格というわけではない」ということです。
世界保健機関WHOによると、今1番大気汚染が深刻なのは、なんと北京ではなくインドの首都ニューデリーというのです。
ニューデリーでは、日本の健康基準の10倍を超える1立方メートルあたり153マイクログラムというとても高い数字を叩き出しています。これは世界最悪です。
さらに主要都市としてドーハ93、カブール86、カイロ73、ウランバートル68と高濃度汚染都市が続き、北京は56です。大気汚染に関して数字上では決して中国が飛び抜けて汚染が進んでいるというわけではないんですね。
このことから日本も中国を一方的に攻めることはできないのでしょうね。
ただ2010年度のデータでは、大気汚染が原因とされる死者数でいったら中国はぶっちぎりの世界一です。黄砂などにはPM2.5も含まれるので、2位のインドを大きく引き離し、倍以上の135.7万人が亡くなっています。
それに現代ではこれら汚染された黄砂が日本人の花粉症を花粉以上に悪化させる原因になっているとも・・・。
やはり中国はせめて自動車だけでもディーゼルエンジンの排気ガス処理技術を高め、中国人の健康を脅かす原因を取り除いて欲しいですね。
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